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ブックマーク / kentapb.blog27.fc2.com (8)

  • 「薬作り職人のブログ」が選んだ、薬の世界の6大ニュース。薬作り職人のブログ

    2012年も明日で終わろうとしています。 今年書いたお薬関連の記事から、2012年を振り返ってみたいと思います。 1.「Gタンパク質共役型受容体の研究」ノーベル化学賞受賞 ノーベル化学賞を受賞したレフコウィッツ教授及びコビルカ教授の業績は、今年のお薬関連の話題として外すことはできません。今回、受賞の対象となった「Gタンパク質共役型受容体の研究」は、現在使われている多くの薬に共通する作用メカニズムを明らかにしたものです、また、この研究により、GPCRと呼ばれるタイプのタンパク質を標的とした薬剤の開発が飛躍的に発展しました。長年薬理学の世界にいた私にとって、この受賞は非常にうれしいものでした。 参考記事 細胞の外から中にどうやって情報が伝わるかー2012年度ノーベル化学賞薬作り職人のブログ なんでこの業績はノーベル化学賞なんだろう。薬作り職人のブログ 2.山中伸弥教授ノーベル生理学・医学賞受賞

  • 選挙ってパワポ使ったプレゼン形式の演説とかできないんだろうか薬作り職人のブログ

    明日は投票日。街中やテレビで、沢山の候補者が街頭演説してる光景を見かけました。 ただ、いつも不思議に思うのは、あの演説で果たしてどれだけの事が伝わってるのかな、ということです。少なくとも、私には候補者が何をどう伝えたいのかがよくわかりません。大きな声を枯らして一生懸命しゃべっているなぁ、とは思えるのですが、その中身は結局よくわかりません。 で、街中でそういう光景を見かけるたびに、「街頭の寒い中、ひとりで大声を張り上げるより、どこかの屋内の会場で、パワーポイント使ったプレゼン方式での演説をしてもらいたいなぁ」などと思います(実際やろうと思っても、公職選挙法とかで禁止?されているのかもしれませんが)。 選挙の大事な役割というのは、国会議員を選ぶことを通じて、自分たちが収めてきた税金の使い道を選ぶことだと思います。候補者が「公約」と言う名でしめす「お金の使い道」を判断するには、いろんなことを知る

  • 研究者を殺すものは何か。薬作り職人のブログ

    研究者に必要なものってはいろいろあるけど、大事なのはやっぱり「好奇心」でしょう。「研究者を殺すものは何か」といわれたら「好奇心の消失」って答えてもいいかもしれません。 研究ってのは、成功より失敗のほうが多い世界。そんななか、前向きに進むための原動力は「何が起こってるのか知りたい」「こんなものを作ってみたらどうなるんだろう」「どんな仕組みでこの現象がおこってるんだろう」という好奇心。 好奇心が研究の原動力を生み出し、この原動力は、ふつうの人から見たら馬鹿馬鹿しいほどの量の実験、トライエンドエラーの繰り返しの日々をサポートしてくれます。そんな中から、一握りのビックデータを見出す検出力をサポートするのも好奇心です。「思った結果と全然違うけど、それはなんでだろ」という好奇心がさらなる実験を行う原動力となり、ビックデータを引き寄せる。 逆に、好奇心がなくなると、研究に対するモチベーションが低下します

  • 「ばら色の夢を見ましょう」という名前の薬。薬作り職人のブログ

    「ばら色の夢」っていう言葉は、今の世の中、なかなか聞くことがない言葉です。震災や原発事故の影響がまだまだ続きそうだし、次の自然災害がいつどこで起こってもおかしくないし、景気は良くならないし、年金や医療費についても全然先が見えない。 そんな世の中ですが、「ばら色の夢を見ましょう」なんて景気の良い思いを込めたネーミングの薬があります。 その薬は、睡眠薬のロゼレム(武田薬品、主成分ラメルテオン)です。 ロゼレムの名前の由来(武田薬品インタビューフォームより) 「健やかな眠りを取り戻し、ばら色の夢を見ましょう」との願いをこめてRose REMから 名づけられました。 Roseは「バラ」、REMはREM睡眠(Rapid-Eye-Movement)を表しています。REM睡眠は、睡眠中の状態の一つで、体は眠っていますが脳が活動をしている状態(つまり夢を見ている状態)を指します。ばら色の夢をみる状態を引き

  • 英語プレゼンに不慣れな人のためのひと工夫。薬作り職人のブログ

    英語のプレゼンに不慣れな人にとって、スライド作成は難しいお仕事です(私も苦労しています)。どうやったら、自分の意図が正確かつわかりやすく伝わるか。英語がペラペラに話せるのであれば悩むことも少ないのですけど、そうでない人にとってはなかなか大変な問題です。 一般に言われているスライド作成の鉄則は、「文字を少なく」です。字がいっぱい詰め込まれていて、「自分が主役だ」と主張するようなスライドは、出来としてはあまり良くありません。そもそも、文字を読むことに注意が向かってしまっては発表者の話など頭に入りませんし(それなら、印刷物で読むのと一緒)、それだけ大量の内容を視覚からだけできちんと整理して頭に入れられる人はなかなかいません。 プレゼンでのスライドは、自分が言いたいことを視覚からサポートしてくれる道具であり、脇役です。「来はスライドがなくても出来る話のだけど、聴衆の説得力や理解度を上げるために、

  • 科学記事での「マテメソ」の大切さ。薬作り職人のブログ

    研究発表を見るときには、「どういう方法でそのデータを出したの?」という点が気になります。これは、研究者の主張の価値を判断するのに、「研究方法」が大きな関与をするからです。 「研究が正しい研究方法(実験計画とか実験技術、実験条件)の元でなされたものである」ということは、発表された研究結果の価値を判断するための大前提です。そのために、学術論文等で研究結果を発表するときには、実験方法や実験材料の丁寧な記載を求められます(Material and Method、略してマテメソと呼ばれます)。 この項目を書く目的は、「実験結果が正しい方法によって得られたかどうかを、読者が判断できるようにする」「実験を再現して、その正しさを第三者が確認できるようにする」の2つ。マテメソがきちんと書かれていないということは、研究の価値を正しく判断できないという点で致命的です。 そして、第三者が研究者の研究内容を伝えると

  • 研究者にとっての、作業服と白衣。薬作り職人のブログ

    白衣生活から卒業して、はや一ヶ月。スーツにネクタイ姿でのお仕事にもだいぶ慣れてきました。とはいえ、勤め先が研究所であることに変わりはないので、目の前にはやっぱり白衣姿の研究員がうようよいます。 研究所の着衣は、作業衣または白衣ということになっています。作業衣と白衣どっちを選んでもよいのですが、化学系の研究員は作業服を選ぶ人が多く、生物系の研究院はほとんど全員が白衣を選ぶという感じです。私は生物系だったので、作業衣は一着も持っておらず基的には白衣で過ごしていました。 化学系の研究員が作業衣を選ぶのは、「白衣の裾や袖でものを引っ掛ける危険を避けるため」とのことです。化学系の実験では、実験台の上やドラフトチャンバー(有害な気体が発生するときや、揮発性の有害物質を取り扱うとき安全のために用いる局所排気装置)の中に、反応のためのガラス器具や反応に用いる試薬などがたくさん置かれています。これらのもの

  • どこまでなら話してよくて、どこからは話してはいけないか。薬作り職人のブログ

    研究や技術開発の世界は、一番乗りを狙う競争の世界です。この世界では、最初に発見・発明したものに最大の栄誉と利益が与えられます。そのため、情報のやり取りに関しては、非常にナーバスになる機会が多いと言えます。 そんな中、こんな記事を見かけました。 whitemountfield's blog: Twitterで学生が研究内容を暴露している件について 「ツイッターなどの不特定多数が目に付くネット環境において、自分がやっている研究内容・研究方法について話している学生さんがいる」というのが、この記事の内容です。この記事に例として取り上げられている学生さんは、おそらくは研究経験があまりない学部生(もしくは修士)の方なのではないかと推測します。このような人たちの中には、「どこまでなら話してよくて、どこからは話してはいけないか」が実感できていない事が多いです。 これは、自分の研究についての内容の中身が十分

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