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ブックマーク / mandanatsusin.cocolog-nifty.com (8)

  • 「セデック・バレ」原作マンガ『霧社事件』 - 漫棚通信ブログ版

    霧社事件をご存じでしょうか。霧社は台湾の中央部に位置する地名。霧社事件は、日統治時代の1930年におこった大規模な抗日暴動事件です。武装した台湾先住民により日人136人が殺害され、その後日軍や警察の鎮圧作戦により、壮絶な戦いの結果、最終的に先住民1000人が死亡するという経過をたどりました。 くわしくはWikipediaなどを見ていただくとして、この事件が2011年に台湾映画化され、日でも年公開されました。今はレンタルショップにもDVDが並んでますね。タイトルは「セデック・バレ」。台湾では大ヒットして各国映画祭にも出品されています。製作にはジョン・ウーの名がありますし、日からも俳優やスタッフが参加してます。→(映画公式サイト※) 監督/脚のウェイ・ダーションは、霧社事件を扱った一冊のマンガとの出会いがこの映画を作ることになったと語っています。それじゃそれはどんなマンガなのか

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  • 戦前と戦後をつなぐ『ミッキーの書式』 - 漫棚通信ブログ版

    大塚英志『ミッキーの書式』読みました。 ●大塚英志『ミッキーの書式 戦後まんがの戦時下起源』(2013年角川学芸出版、3500円+税、amazon) 日における第二次大戦前、第二次大戦中のマンガやアニメが、戦後の現代マンガにどのような影響を与えたか、を論じた。学術書らしく、著者のにときどき見られる政治的主張はずいぶん押さえられてます。 著者のまとまった形のマンガ論としてはまず『アトムの命題』。そしてその次の時代を書いたのが新書ですが『「ジャパニメーション」はなぜ破れるか』。書は『アトムの命題』の時代からさかのぼった時代を書いたものになります。内容はすでに著者がこれまで他の文章で語ってきたことのくり返し、総集編という感じです。 戦後のマンガ作品についてはまったく出てこないし、登場する戦前、戦中の人物や作品についても注釈などがないので、読みとおすにはそれなりの知識を要するかもしれません

    戦前と戦後をつなぐ『ミッキーの書式』 - 漫棚通信ブログ版
  • キンドルでマンガを読む - 漫棚通信ブログ版

    買っちゃいましたよ、Kindle Paperwhite。ハヤリモノに弱くてすみません。ネットでは予約してなかったのですが、ご近所のケーズデンキに行くと、ソニーの電子書籍リーダーと並んでフツーに売ってました。 やっぱ「E Ink」はそうとうなスグレモノ。PCiPadの液晶画面でマンガや文章をけっこう読んできましたが、いやーキンドルペイパーホワイト楽だわ。液晶とちがって目はまったく疲れないし、暗いとこでも明るいとこでも平気という点は、紙の印刷物よりすぐれてるかも。 実際ここしばらく、キンドルでずっと小説を読んでましたが(冲方丁『光圀伝』ね。中巻が終わって下巻にはいったところ)、ほんとすらすら読めちゃいます。それになんつっても物理的に軽いのが楽。寝っ転がって片手で持っててもまったく苦になりません。読めない字やわからない単語があれば、そこを指で押さえて反転させれば「デジタル大辞泉」がたちあがって

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  • ほのぼのしんみりだけじゃない『ペコロスの母に会いに行く』 - 漫棚通信ブログ版

    書店ではマンガの棚じゃないところに置いてありました。 ●岡野雄一『ペコロスの母に会いに行く』(2012年西日新聞社、1200円+税、amazon) 予備知識がまったくなく、ぱらぱらと立ち読みをしてから購入。シュリンクしてなかったのでありがたかった。 まずタイトルで「?」ですが、ペコロスとは著者のペンネーム。書影イラスト右のハゲたおっさんですね。そして左のばあちゃんが著者のお母さん。老いた母が老いた息子のハゲアタマをなでている図です。 「会いに行く」とは著者の母が認知症となりグループホームに入所しているから。 長崎のタウン誌に連載されたのち自費出版され、評判となって大手から出版されたそうです。 著者は長崎在住のフリーライター62歳。母は夫が亡くなってからゆっくりと認知症の症状を悪化させていきます。物忘れ、幻覚、妄想…… 最初のほうは母の見せる老いと認知症を描いた日常エッセイマンガ。一篇が二

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  • 幸福で不幸な『鉄腕バーディー』完結 - 漫棚通信ブログ版

    ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』終わっちゃいましたねー。 ●ゆうきまさみ『鉄腕バーディー EVOLUTION』13巻(2012年小学館、524円+税、amazon) 『鉄腕バーディー』が全20巻。タイトルを変えた続編『鉄腕バーディー EVOLUTION』が全13巻。連載期間は10年におよびます。 12巻が発売されたときに全巻読み直して、最終13巻を読んだ上でもう一回全巻読み直し。いやーつくづく傑作だった。最終13巻の第3話までは。 一部ではジャンプのバトルものを少年マンガの「王道」と呼ぶ向きもあるようですが、歴史的にはバーディーのほうがよほど王道でしょう。 手塚石森以来のSFである。探偵対怪盗という古典的な構造をもち、正義対悪の戦いである。明朗活劇で、ストーリーとギャグのバランスが抜群。ちょっとエッチでオタク要素もはいってる。ほらほら王道じゃないか! 銀河連邦の女性捜査官バーディーが、地球に

    幸福で不幸な『鉄腕バーディー』完結 - 漫棚通信ブログ版
  • 手塚治虫は大卒か? - 漫棚通信ブログ版

    NHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」って「ゲゲゲの女房」や「カーネーション」と比べてもぜんぜんデキが良くないと思うのですが、なぜかふと見てしまうのが不思議ですねー。真剣に見る必要がない、というのが朝にいいのかな。 それはともかく「梅ちゃん先生」を見てると戦後すぐの医療制度がどうだったかの参考にはなります。梅ちゃんって手塚治虫とほぼ同い年なんですよね。 日のネタは重箱の隅でもうしわけない、手塚治虫の学歴は、大卒なのかどうかというお話。 手塚治虫は第二次大戦中の1945年(昭和20)、大阪大学附属医学専門部に入学、五年制のところを一年留年して1951年卒業。大阪大学医学部付属病院で一年間インターン。1952年第12回医師国家試験(これは梅ちゃん先生と同期)に合格して、満を持して上京。フルタイムのマンガ家生活に入ります。 手塚先生、卒業前の学生時代に『ジャングル大帝』の連載開始してるし、『アトム大使

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  • 作者は反逆される『秘密 トップ・シークレット』 - 漫棚通信ブログ版

    うーむ、やっぱ清水玲子『秘密』は、最新7巻がもっともよくできてる。 ●清水玲子『秘密 トップ・シークレット』7巻(2009年白泉社、848円+税、amazon) 時代は近未来。科学の進歩により、死者の脳をMRI走査することで生前に目撃していた事物をはっきりと画像化することができるようになります。死者の証言というまったく新しい捜査手法を得た警察は(そして読者は)、どのような現実に直面することになるのか、という連作シリーズ。 ホラー風味もありますが、作品世界は論理が支配しているのでアシモフなどで有名な「SFミステリ」ですね。作者が作中にだけ通用する架空のシステムを設定し、それを利用してミステリを展開させるわけです。 死者の証言ですから、まずは被害者が何を見たか、シリアル・キラーの頭の中はどうなってんのか、といったところから始まります。ミステリ的にはこういうところからいかにはずすか、ひねるかかが

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  • 酒井法子とは何だったのか - 漫棚通信ブログ版

    それにしてもNHKの19時のニュースでトップてのはどうなんだ。 一連の事件がどういう結末になるか、だれも知らない時点でもうしわけないのですが、「マンガ的には」酒井のりピーとは何だったのか。 酒井法子の顔、とくにその目がすべて。彼女の目は大きすぎず小さすぎず、まさに微妙なバランスで形成されています。 酒井法子が登場するまでは、日アイドルの目は大きければ大きいほど良いと考えられていました。また日マンガの女性キャラも、ひたすら大きい目をめざしていたのです。 ところが。酒井法子が登場し、その目を見たとき、日人はアジア人として理想の目の大きさを発見したのではないか。 彼女の目のバランスをマンガ化したのは、桂正和。彼が描くすべてのヒロインが、酒井法子です。 1990年代以後、酒井法子が香港、台湾中国で人気になったのも、彼女の顔の造作のためでしょう。わたしは、台湾イラストレーター、陳淑芬/平

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