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ブックマーク / sajiya.blog89.fc2.com (9)

  • アニメにおけるマッチカットの実例 - 大匙屋

    前回、マッチカットは人によって定義がバラバラと書きました。 僕はマッチカットの定義を 来ならつながらないはずの2つのカットを 視覚的、聴覚的、あるいは比喩的な類似性によってつなぐこと と説明したんですが―― 実はこれ、アニメのカットのつなぎ方としては「わりと普通にやること」なんですよ。 マッチカットという言葉やその定義があまり重視されないのは、 いちいち厳密に定義する必要がないくらい、すでに技法が浸透してるから。 なにしろヒッチコックの映画から、すでに50年経ってますからね。 たとえばこういうの ■フォトカノ 第05話 (2013) 円形のモチーフが、オーバーラップして月や太陽に変わる。あるいは逆も可。 こういう演出って、いろんな作品でさんざん見てる気がしませんか。 ごく普通にありますよね。 僕ら視聴者が「マッチカット」という技法を知識として知っておくことで こういった演出が流れの中で良

    アニメにおけるマッチカットの実例 - 大匙屋
  • げんしけん モブシーンの変遷 - 大匙屋

    「げんしけん」に付き物なのがコミケシーン(作中では「コミフェス」) 作画スタッフは毎度死ぬ思いであろうとは思いますが 渾身の描き込みを見るのはやはり楽しいものです モブシーンは2010年以降Massiveなんかを導入する会社が増えて ちょっとしたイノベーションが起きてる印象があります。(350万円もするらしい… げんしけんシリーズは2004年、2007年、2013年にそれぞれアニメ化されていて 制作会社やCGIは各シーズンでバラバラなので単純比較はできませんが そもそもモブについてまともに触れる機会があまりないんで その変遷をちょっとだけ見てみましょう ■げんしけん (2004) 第03話 ビッグサイト、雨 傘の色がなんか土気色なのは謎 高さと空間を表現する縦パン、手前のモブには微妙にSL入ってますね エスカレータ、TU 下階の群集は影のカタマリ 島通路、パースの掛かった構図で動かすのはや

    げんしけん モブシーンの変遷 - 大匙屋
  • アニメ視聴をつまらなくする傾向について - 大匙屋

    ここ数日、恋愛ラボのことばっか考えてましてね #09のメガネ救出の件でWEBの感想読んだりしてみて 「嘘ついて校則違反を揉み消すのはどうなの」 という指摘はやっぱりあるわけです で、実体験として顧みると そもそも教師って僕らにとって敵だったじゃね? 敵とまでいかなくても、彼らは決してわかりあえない向こう側にいる人たちであって 別に仲良くしたい人たちではなかったじゃね? というようなことを考えるんですよ。 教師にウソついて騙したらそんなにダメか?みたいな 僕は少なくとも中学校の教師、どいつもこいつも大嫌いでしたよ。 人によっては、早く死ねばいいのにとさえ思ってた。 好きな先生も何人かはいたけど、大半は嫌な人だった気がする。 あの人たちにウソついて騙しても当時の僕の良心は痛まなかったと思う。 それは僕がクズだからなんだろか 話を作品に戻しますが うそを吐くのは当に間違ってるのか? この案件は

    アニメ視聴をつまらなくする傾向について - 大匙屋
  • ナディアのヤマト愛、と2199 - 大匙屋

    ヤマト/ナディア、例の主砲発射シークエンスの簡単な比較 こういうのまとめてるとこ探せばあるんじゃないですかねw まあいいけど 左が「宇宙戦艦ヤマト」#02(1974)、右が「ふしぎの海のナディア」#36(1990) 敵船の形状からモニタのグリッド線までオマージュになってるのがわかると思います 同じく左がヤマト、右がナディア。デカルト座標だっけ。W軸がありますね 主砲照準は手動によるものでしたが 2199では丸ごと自動化されたらしくカットになってました この主砲発射の仰角アングルもヤマト以降の定番 ヤマトのほうは確認した限りダブルアクションにはなってるようですが トリプルではないように見えた。実のところ見てもよくわからないです 一番二番砲塔の連射だったり、でも光線が3だったりするんで 駆け上がっていく集束砲 コマ割からレイアウト、シークエンスに飛び交う専門用語、SEまで含めて ナディアは先

  • たまこまーけっとの話、補足 - 大匙屋

    ■たまこまーけっと http://tamakomarket.com/ どうも伝わらんのは文章力がクソだからか 母の死は隠蔽されていない、これは作品を見てれば誰でもわかる 母の死はどちらかというとタブー視されているもので 会話がシリアスな展開に向かおうとするとデラにより制御がかかる これは作品のもつポップでコミカルな雰囲気を阻害しない演出的配慮でもあるけれど。 ではそれらの配慮が一体何を隠しているのかというと たまこを取り巻く商店街の衰退(客数減や後継者難)であり 「屋の娘」という立場をたまこから剥奪しようとする計図であり 寛容さを装いつつ、澄んだまなざしと現実から目を背ける快楽であり いずれにせよ「たまこが屋の娘たまこではいられなくなる」という状況を 大雑把にたまこと商店街の「死」であると括ったうえで 彼女の周囲には当初からその死臭が漂っていて それが隠蔽されていると僕は指摘したわけで

  • たまこまーけっと 隠蔽される死と情念 - 大匙屋

    ■たまこまーけっと http://tamakomarket.com/ ★ほしひとつ デラとたまこ以外の登場人物は全員、善なるたまこを殺すために存在します。 という視点でひとつ解説を ■死の隠蔽 一見、この「たまこまーけっと」は生や死とは縁遠そうな物語ですが 実は登場人物の中でたまこが唯一、死に近い場所にいます。 そしてそのことは、物語の中で巧妙に隠されている。 #09 母の口ずさんでいた思い出のメロディ、仏壇の不在、祈りと献花。 母親の不在は物語に重要な効果をもたらしていますが 母の死について直接言及されることは一度もありません。 作為的に排除されることで、かえって死がクローズアップされる。 #01 母の死について口にしようとすると、その口を塞がれる(言語化も許されない) これは12話にも見られた傾向。つまり母の死について語ることは物語上タブーである。 たまこの父親は、折にふれ亡きとの思

  • あずまんが大王 第04話のプール表現。と、その先 - 大匙屋

    (2002) あずまんが大王 第04話「楽しい職業/プールプールプール/りぼん/ふたりっきり/いいひと (プール!)」 プール作画というと有名なのはやっぱりこれです。 といってもさすがにもう10年以上経つので 若い世代には未見の方も多いかも gifアニメだと落ちているコマも多いので 当はビデオで見て欲しいのですが 突然プール内に現れた木村、ゆかりとにゃもがドン引きし固まるフィックス 三点パースで作られた奥行きのある空間の静寂を 絶妙なタイミングで溺れるちよが破る ・頭部が水をヘルメットのように被ったまま水面から持ち上がる ・沈んでいくときなど、水面の下で生じる泡 ・さらに俯角、パースと後方に浮かぶ少女で不安定な重心と浮力を表現 ・にゃもがゆかりに向かっていくときの水の抵抗まで考慮されている ・水際の静かなゆらぎ ・水中で浮力により両腕が身体から離れる基姿勢 ・中央左の人物は水位と身長の

  • 最近の水際表現。そして京アニの水泳アニメ - 大匙屋

    (4/28追記:ブコメとかで要望が多かったんでgif増やしてみた。表示が重かったらすいません) だいぶ以前の記事でも書いたのですが プールの水際、液体と個体を分かつ線の表現はCGの侵によって 徐々にロストテクノロジーとなりつつあります。 相変わらず萌えアニメ、学園アニメ全盛で作品ごとに水着回、プール回があり こういった境界部分も目にする機会が多いわけですが 残念ながら、もうこの部分はメーターさんには作画させてもらえない領域のようで。 描かせてもらえないから、よけいに描けなくなっていくのかもしれない。 しかしながら 「この線が動かないのはおかしい」と考える向きもやはりあるようで、 挑戦のあとが見られる作品もいくつかあるのでした。 これは明るい兆しなんだろうか? 正直どうなのかわかりませんが そのへんをまとめてここ数年分、少しだけ紹介してみたいと思います。 (2010)オオカミさんと七人の仲

  • ヴァルヴレイヴと虚淵発言について - 大匙屋

    ■革命機ヴァルヴレイヴ http://www.valvrave.com/ 中立国ジオールのスフィア(宇宙都市)「モジュール77」に よそと戦争中の「ドルシア」が急襲を掛けてきたため、学生たちが急いで避難。 その途中で、学生たちは謎のロボットに遭遇 その直後 流れ弾に当たり、主人公ハルトの彼女ショーコが吹っ飛ぶ ハルト、逆上してロボットに搭乗 こういう流れなわけですが、これについて虚淵 「パンピーの主人公が」「戦う動機を得て」「ロボ乗って敵撃破を一話で」 これ「ロボ乗って敵撃破を一話で」に注目されてるようですが 庵野発言の要諦は「戦う動機」の確保にあったように記憶しとります。 僕も過去において全部の発言を追ってるわけではないので このあたり正確ではないかもしれませんが。 少なくとも、素人が搭乗し敵撃破までを一話で、という点だけで言うなら これはロボアニメではわりと普通のことです。 『スキゾ・

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