「『大学生はだめだ』と切り捨てるのではなく、彼らの学ぶ環境をどうしたらいいかを考えるべき」と述べたのは、国立情報学研究所の新井紀子氏だ。 2013年1月16日に開催された国立情報学研究所の市民講座「大学生の数学力、なう」では、2011年に日本数学会が全国規模で行った大学生の数学力調査「大学生数学基本調査」の結果について、詳細な解説がなされた。 分析力 2012年2月に発表された大学生の数学力を調査したデータは、各メディアが大きく取り上げた。全国48大学、約6000名の大学生を対象に「ここまで広範囲に大学生の学力を調査したのは初めて」(新井氏)だった。現在の学生がどの程度の力を持っているか、興味深いデータが並んだ。 まず紹介されたのは「平均の定義とそれに絡んだ結論について、ロジカルに考えられているかを問う」問題についてだ。正答率は76%程度と、期待されていた正答率90%を下回った。 この結果