今度はちゃんと桃太郎の話をします。 みなさんがご存知の桃尻太郎ではありません。明治時代の文豪、菊門亭穴流(きくもんていけつりゅう)が幼児向けに書いた官能小説、桃尻太郎はめちょんこ有名ですから、今さら私が説明する必要もないはずです。桃尻太郎は明治時代に雑誌「寒村」に掲載されるやいなや、夏目漱石や芥川龍之介が「こんなん、俺には書けん!」と筆をばっきばきに折るぐらいに優れた作品で、大正時代には誰もが知っている話になっていました。 戦時中、娯楽や贅沢は敵だという考えのもと、ありとあらゆる娯楽は姿を消していってしまったのですが、桃尻太郎だけはなぜかお目こぼしにあったというか、特別高等警察も桃尻太郎は読み聞かせを許可していたのです。桃尻太郎の話が戦時中の日本人の心を奮い立たせたというのはとても有名な話です。 戦後、GHQが桃尻太郎の話を耳にして「これが日本の底力の秘密か!」と驚愕し、このような話を老若