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ブックマーク / psichiatra.blogspot.com (37)

  • 「思春期を考える」ことについて

    「精神科」「心療内科」を標榜しておいて、「中井久夫」を知らなければ、それはモグリの精神科医である。それくらいに中井先生は精神科の中で高名であり、俺は心底尊敬している。もしあなたが精神科か心療内科に通っていて、主治医が中井先生を知らないようであれば、そんな病院は早々に替わるほうが良いだろう。そう思うくらいに。 さて、そんな中井先生の論文や寄稿を集めたものが中井久夫コレクション。全4巻から成り、書は3巻目にあたる。非医療従事者が読んでも十二分に理解できる内容であるが、決して内容が浅いわけではなく、むしろ奥深い。こんな奥深い話を、これほど平易に書けるというところが中井先生の凄いところだと思う。 以下、印象深かった部分を引用する。 大衆大学は、酷薄な言い方をすれば失業者プールでもありうる。親からいえば、中学やハイスクールを出てぶらぶらしているくらいなら、大学へ入れて学歴をつけておけば景気が回復し

    「思春期を考える」ことについて
    Nihonjin
    Nihonjin 2012/09/19
    「アルコール依存症患者が奇装をしたりヒゲを伸ばしたりすることも少なくないが、家族には、これは良徴で(…)まちがっても母親や妻が剃らせたりしないように言う。これは端的な「去勢」に近い意味を持ちうる」
  • とりあえず俺と踊ろう: オセロ中島はマインドコントロールされているのか

    2012年2月20日月曜日 オセロ中島はマインドコントロールされているのか オセロ中島が女性占い師にマインドコントロールされている、ということがテレビ番組で特集されていた。俺は、マインドコントロールではないと思っている。 たまに見るテレビからの情報が主で、あとはネットで少し仕入れた情報だけだが、「警視総監に相談している」と述べたり、顔中にセロハンテープを貼って「電磁波を予防」と言ったりしているそうで、これだけを聞くと、どうにも精神病、特に統合失調症を疑ってしまう。「電磁波」というのは、統合失調症の患者がよく言うキーワードで、ある人は電磁波による攻撃を防ぐために部屋中にアルミホイルを貼っていた。また、電磁波予防の帽子をかぶる人もいるし、眼への攻撃を避けるためサングラスをかける人もいる。 統合失調症とは別に、感応精神病というのもありうると思う。精神病患者と一緒に生活する人が妄想を共有するよ

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/02/20
    「顔中にセロハンテープを貼って「電磁波を予防」と言ったりしているそうで(…)「電磁波」というのは、統合失調症の患者がよく言うキーワード」「妄言奇行をするよう誘導して、いったい誰が得するのだろう」
  • 笑顔と真顔、タイミングの難しさを考える

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  • オバケに足をつかまれて

    ブックオフの社員として群馬で働いていた頃の話。 埼玉から群馬に転勤したばかりで、アルバイトの人たちとなかなか馴染めなかった。アルバイトたちの心を鷲づかみにするような良い話題はないものかと、俺は日々ネタを探していた。もうこうなったら、オバケに足をつかまれてもいいや、なんてそんな風にも考えていた。ちょっと病んでいたんだろうな。で、ある日の夜にソレは起こった。 オバケに足を掴まれてみたい、いや、掴まれてみたくはないんだけど、掴まれた話でアルバイトたちのハートをがっちりキャッチなんて思ってはいたものの、俺のイメージでは足首をヌラーリという感じで掴んで欲しかった。しかし、実際には……。 夜中に目が覚めると金縛りにあっていた。あぁ、仕事疲れかなぁ、なんて呑気にかまえている反面、「つかむなよ、つかむなよ」と、ちょっとダチョウ倶楽部的な心境も。つまりは、つかんでくれ、と。すると、 グヮシッ!! 仰向けにな

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    ブックオフの社員だったらしい。興味深い経歴だ。
  • とりあえず俺と踊ろう  - Well, let's dance with me. -: 足の切断

    医学生時代の思い出。 患者は50代の男性。長いこと透析治療を受けていた。もう、かれこれ30年弱。凄く若い時期から透析をしてきたのだ。透析というのは、長いこと続けると血管炎のような病気にもなりやすく、そのせいで片足の膝から下の血行が非常に悪くなり、とうとう足先から壊疽を起こし始めた。このまま放っておくと、感染し敗血症に至り、最終的に死ぬかもしれない。医師は何度となく切断を勧めた。しかし、患者は思い切りがつかなかった。 できればそのまま残したい。 粘れるところまで粘りたい。 切断だけは勘弁して欲しい。 そういう気持ちだったようだ。 手術当日。 術前の最終確認でも患者は、 「一応、腐った組織を先に取り除いて、それでもダメなら切断するってことにしてください」 と言っていた。 手術室にて。 腰椎麻酔が効くまでの間も、患者は看護師に、 「ギリギリまで粘ってみてね。どうにもならんやったら、そん時は仕方な

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    糖尿で脚切断。
  • 見えなくなる、ということ

    医学生時代、患者が目の前で失明した。 患者は70代男性。もともとかなり厳しい手術と予想されていた。エコー所見(目にもエコー検査をする)も、眼底所見もかなり悪かった。眼底所見は、あまりに硝子体が濁り過ぎて全く見えなかったくらいだ。網膜剥離の、非常に重症な症例。 手術前の打ち合わせで、教授は患者に、 「なんとか失明だけは避けたいんで、頑張って手術させてください」 と言っていた。 (先生によって、言い方って様々だなぁと感心した) 患者は歳のわりに元気で、 「はいはい、お願いします」 と答えた。 手術が始まった。俺は教授の隣に座り顕微鏡をのぞきながら、時々角膜に水をかけるという仕事をやらせてもらっていた。顕微鏡をのぞくことは、非常に興味深い体験だった。目の中が見えるのだ。 そして、この患者の目の中は、教科書で見る正常像とはかけ離れたものだった。突然、教授が、 「閉めます」 と言った。 手術開始から

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
  • とりあえず俺と踊ろう  - Well, let's dance with me. -: Trauma

    2011年12月3日土曜日 Trauma Trauma とは、「外傷」、いわゆるケガのこと。 PTSDは、「Post-traumatic stress disorder」の略で、心的外傷後ストレス障害と訳される。 医学生時代のこと。 どんな診療科でも、 主訴(病院に来るキッカケになった症状) 現病歴(今の症状の経過) 既往歴(今までにかかった病気) 家族歴(家族の病気の歴史) はカルテに書く。 (サボってる科もあるが、学生はサボれない) 眼科研修のときのカルテには、もっと細かい項目が書いてあった。 以下の項目が当てはまるか当てはまらないか。 もし当てはまるなら、どのような症状や病歴を持っているかをチェックする。 Diabetes mellitus Hypertension Tuberculosis Asthma Allergy Trauma もっとい

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
  • とりあえず俺と踊ろう: 未払い金

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    「当院の場合、今までに積もり積もった未収金が3700万円。たかだか人口3万5千人の島でこの状況」
  • 患者が医師・看護師に意図的に暴力をふるう、それは犯罪だ

    ちょっと前に、デパートの経営コンサルタントという人が書いた文章で、 「万引きされるお客様」 という言葉が出てきて驚いたことがある。万引きしても「お客様」扱いなら、強盗する連中だって「お客様」扱いだろう。い逃げする者に向かって「ありがとうございました」と言う店があるだろうか。丁寧な言葉を使わなければ、という強迫観念が、こういう頓珍漢な言葉を使わせるのだろう。 患者から医師・看護師への暴力・性的暴行はずいぶん前から問題になっている。あくまでも、病院関係者の間で、ではあるが。個室に入院している男性患者が女性看護師に抱きついたが、報告を受けた師長は当たらず触らずで、患者も入院したままだった。路上で同じことをやったら絶対に逮捕される。仮に入院患者が重病で、抱き付かれたのが看護師だから許されるという言い分が許されるとしても、シチュエーションを病院外に移せば、誰もが認める性犯罪だ。 一方で、医療従事者

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    「以下略ムフフ」にすべきだった。
  • 原発問題について

    東電関係者の会見では、「想定を超える揺れだったため」という説明が何度となくなされた。この言葉を聞くたびに、想定していれば防げたのかという疑問がわく。つまり、想定レベルをもっと上げていれば、こんな事態にはならなかったのか、ということ。原子力発電所を建設する時、当時の最高レベルの建築技術で造っていれば、事故に関する説明は「想定を超える揺れだったために起きた事態」ではなく、「最高技術をもってしても防ぎえなかった事態」となったはずだ。建設コストを抑えようという下心が今回の事態を招いたような気がしてならない。 トラブルが起きてしまえば、周囲への被害が甚大な原発。未来に起こりうる地震規模の想定などせず、当時の最高技術で建築すれば良かったのだ。 「その最高水準の建築も役に立たないような地震が起きたらどうなるの?」 という質問に対して、 「そんな地震があれば、原発の心配なんていりません。誰も生きていません

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    「「大地震の時に、一番安全な避難場所は原発施設なのです」と胸を張れるくらいの造りにしておけば、東電がここまで責められることもなかった」
  • 物ごとを同時進行させるということ

    目の前を走る車が妙にフラフラしていると思ったら、運転手が携帯電話を耳に当てていた。そういう経験は、多くの人がしているんじゃないだろうか。そんな車を目にするたびに、俺は、 「この人は、仕事もプライベートも、要領が悪いと言われているだろうな」 と冷やかに、若干の軽蔑をこめて思う。 たいていの人が、日常生活では、物ごとをいくつも同時に進行させながら生活している。テレビを観ながら電話したり、その間にも何か飲みいしたり、といったように。こういう、なんとなく自然にやっているような行為でも、実際には優先順位がしっかりある。電話中のテレビは目で追っているだけか、あるいは電話が疎かになっているか、べものにしても味わっているとは言い難いかもしれない。いやいや、テレビも電話も内容をしっかり把握できているし、べものも味わっているよ、と思う人もたくさんいるだろうが、それはその瞬間ごとに集中するチャンネルを切り

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    「この切り替えが下手な人は、いま大事ではないことにいつまでもこだわったり、 一つのことが終わらないと次に進めなかったり、そういう「要領の悪い人」と評価される」
  • 女性の喫煙がアウトな理由

    俺は、知っている女性がタバコを吸っていて、その人にまだ子どもがいなかったら、「タバコはやめたほうが良いよ」と言う。もう子どもがいて、新たに妊娠するつもりもないようなら、なにも言わない。 子どもができたらやめるよ、という女性も結構いた。まぁ、たいていの場合はやめきれない。彼女の喫煙は、もちろん胎児に影響を及ぼす。だから、喫煙は良くない……、という話ではない。喫煙は、妊娠前の卵子に悪影響を及ぼすからやめたほうが良いのだ。ある不妊症治療関係のサイトには、こう書いてある。 調査によると、タバコは卵巣に有害で、そのダメージは、これまでの喫煙の期間によります。喫煙は卵子の老化や生殖機能低下を早め、閉経を数年も早めます。タバコの煙の成分は、卵巣の女性ホルモン分泌能力を低下させ、遺伝子異常を誘発するリスクを高めるのです。これを信じる信じないは個々人の自由だが、何かあった時に「タバコのせいかな?」と思いたく

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    「喫煙は、妊娠前の卵子に悪影響を及ぼすからやめたほうが良いのだ」
  • チェーン・ソーの思い出

    小学校1年生のころ。担任の中年女性教師であるヒサダ先生が、 「覚えている中で、いちばん古い思い出を一人一人言ってみましょう」 と、それぞれに語らせたことがある。俺は、 「おばあちゃんの背中におんぶされていて、チェーン・ソーの音が怖くて、それでわんわん泣いていたのがいちばん古い思い出です」 と答えた。ところが、ヒサダ先生はキョトンとして、 「いや、いちは君が小さいころ、戦争はあってないよ」 するとクラスの友人たちも、「そうだそうだ!」と騒ぎ始めた。「うそつき!」という声まで聞こえる。俺は混乱した。ヒサダ先生、なにを言っているんだろう? みんな、なにを勘違いしているんだろう? そこで思い当った。そうか、チェーン・ソーが戦争に聞こえたのだ。祖父が仕事で使っていたチェーン・ソーの音が怖かったと言えば良かったのだ。 「いや、おじいちゃんが」 訂正しようとして、そこまで言ったとき、ヒサダ先生が口をはさ

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    あるある過ぎて泣いた。あうあう。
  • とりあえず俺と踊ろう: 切開は小さく、検査や薬も少なく

  • とりあえず俺と踊ろう: 認知症 よい対応・わるい対応―正しい理解と効果的な予防

  • とりあえず俺と踊ろう: 介助は先回りせず、でも気持ちは先回りする

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    慣れたら死ぬ。
  • とりあえず俺と踊ろう: 認知症エピソード

    2011年12月3日土曜日 認知症エピソード 認知症の人は時間の流れ、繋がりといった概念が薄くなる。 俺たちが“線”で生きてるとするなら、認知症の人は“点”で生きている。 認知症のお婆ちゃん。 毎日夕方になると、自分の家のお嫁さんに、 「お世話になりました。主人の夕を作らないといけないので、そろそろ帰ります」 と言って家を出ようとする。 お嫁さんは毎日毎回、 「お義母さん、ここは貴女の家ですよ」 と諭すが、お婆ちゃんは聞く耳を持たず、挙句ケンカになってしまう。 そんな毎日に疲れたお嫁さん、 「もう良いや、好きにさせよう」 ってことで、お婆ちゃんが家に出るのを引き止めなかった。 引き止めなかったけど、後ろからついて行った。 後ろから見ていると、お婆ちゃんはしばらく歩いて疲れた様子だった。 そこでお嫁さんは声をかけた。 「お婆ちゃん、お疲れみたいだから、うちに泊

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    説得の基本は相手の世界にあわせること。
  • とりあえず俺と踊ろう: ギャング・エイジとの接し方の一考察

    2011年12月3日土曜日 ギャング・エイジとの接し方の一考察 医学生時代の小児科レポートに添付したもの。 ターミナルケアというテーマからは大きく脱線したが、 小学生の患者とはなかなか仲良くなれない友人たちを見ていて、何かのヒントになればと思い書いた。 『ギャング・エイジとの接し方に関する考察』 ・ギャング・エイジとは 6歳から12歳くらいにかけて、遊びを通して形成される凝集性の高い集団(徒党集団とも呼ばれる)のこと。4~8人程度の同性・同年代の集団成員からなり、きわめて閉鎖性が高い。役割分担、成員だけに通じる約束やルールが存在し、この中で「われわれ意識」が形成される。後の青年期において親友を形成する基盤となるものであり、集団での活動を通して社会的知識や技能を獲得し、自己中心性を脱し、社会的行動を身につける機会を提供する。 ・ギャング・エイジの長期入院 患者同士の友人関係は入

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    学童保育で小学生を相手にした経験からも頷ける内容だ。
  • とりあえず俺と踊ろう: 逃げろ! 逃げてくれ!!

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    すごい。感動した。
  • とりあえず俺と踊ろう: いろいろな点で「そりゃないよ」と思った出来事

    2011年12月3日土曜日 いろいろな点で「そりゃないよ」と思った出来事 夜の11時過ぎ、15歳の少年が家族に連れられてやって来た。 車椅子に座った少年は、下を向いたまま泣きじゃくり、 「すいませんでした、すいませんでした」 と繰り返していた。 過去のカルテから、てんかんの部分発作があるらしいが、最近はかなり落ち着いている。 精神発達遅滞もそこまで強いわけじゃなさそう。 父親は赤ちゃんを抱っこしていて、すぐに診察室の外に出て行った。 母親に話を聞くと……。 一歳の妹が、タバコの吸い殻を手に持っていた。 それを見た父親が少年に対して、 「なんでちゃんと見てないんだ!!」 と怒ったら、徐々に目の焦点がおかしくなり、今の状態になった。 ……。 待て待て待て待て、ちょっと待て。 タバコの始末は吸った人の責任でしょ。 吸ったのは誰ですか、て話なわけで。 吸い殻を子ども

    Nihonjin
    Nihonjin 2012/01/14
    「一歳の妹が、タバコの吸い殻を手に持っていた。それを見た父親が少年に対して、「なんでちゃんと見てないんだ!!」と怒ったら、徐々に目の焦点がおかしくなり、今の状態になった」