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ブックマーク / jtsutsui.hatenablog.com (8)

  • 『社会学はどこから来てどこへ行くのか』出版によせて - 社会学者の研究メモ

    今月(2018年11月)、四人の社会学者の対談集、『社会学はどこから来てどこへ行くのか』が出版された。私以外の三人は、社会学の世界に限らず高い認知度があって、どういったいきさつからか、そこに私も混ざっているのだが、いくばくか場違い感があるのは否めない。 社会学はどこから来てどこへ行くのか 作者: 岸政彦,北田暁大,筒井淳也,稲葉振一郎出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2018/11/14メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る 私はどちからといえば、他の三人と比べて制度としての社会学の世界に浸かっている度合いが強い。社会学会、家族社会学会、数理社会学会では面倒な≒重要な役を仰せつかっているし、大規模な調査プロジェクト(SSMやNFRJ)に参加しているし、そういったしがらみのなかで雑務に追われるのが日常だ。一日の仕事時間の1/4くらいは、広い意味では学会関係

    『社会学はどこから来てどこへ行くのか』出版によせて - 社会学者の研究メモ
    Nihonjin
    Nihonjin 2018/11/20
  • 因果推論の社会学 - 社会学者の研究メモ

    前回の「関西計量社会学研究会」で、「計量社会学と因果推論」という主題でお話をさせていただいた。メモ代わりにそこで話したこと、その後に考えたことを書いておく。 まず、上記研究会で話したことは、短く言うと以下のとおり。 最近は観察データの分析でも因果推論(措置効果モデル)の枠組みが使われることが多くなっている。 因果推論の枠組みでは個体特性(性別、出生年、観察されない性向等)の「効果」は基的に除去される対象だが、他方で計量社会学者はその個体特性自体に関心を持ってきた。 多少厳密な因果推論(措置効果モデル)の枠組みだと、同一個体に割付(アサインメント)できないものは原因にはなりえない、とされる。性別は(例外はあろうが)その典型例である。しかし主に社会学ではこういった個体の属性の「効果」をみるということがしばしばなされていた。これに対して、因果推論派の方からは「それは違うんじゃないか」というツッ

    因果推論の社会学 - 社会学者の研究メモ
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/01/09
  • 社会保障の「気前良さ」は政府支出の大きさでは測れない - 社会学者の研究メモ

    政府は増大する社会保障支出を背景に、いよいよ増税に向けた調整を格化させている。他方でアカデミズムにおける社会保障論(福祉国家論)をみると、日は基的に社会保障に関して低い水準にあるということがたいていの議論の出発点となっており、現在の政府の政策展開とアカデミズムのあいだには奇妙なズレがあることが分かる。 このズレはいかにして生じているのだろうか? ある国の社会保障の手厚さを測る指標としてしばしば社会保障支出のGDP比が用いられる。また、日政府はしばしば国民負担率という指標を用いる。しかし、たとえば年金支出は高齢化率にしたがって上昇するので、「年金支出の規模が大きいから社会保障が充実している」ということにはならない。失業率と失業手当の関係も同じで、失業率が高ければ失業手当支出も増えるが、かといって雇用関連支出が「充実している」というわけではない。 図は2007年のOECD諸国の社会支出

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  • 『社会調査のための統計学』 - 社会学者の研究メモ

    社会調査のための統計学 ?生きた実例で理解する? (現場の統計学) 作者: 神林 博史  ,三輪 哲出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2011/07/23メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 63回この商品を含むブログ (7件) を見る 一変数の分布から統計的検定の基礎までをカバーしていますが、「徹底的に初学者にやさしい」執筆方針が随所に見て取れ、頭が下がります。しかも数式等を省略せず、しかし丁寧にわかりやすく説明しています。 まったく数量データに触れたことがない学生さんでも、書を手にすれば、抵抗感なく調査データの量的分析に入っていけるのではないでしょうか。

    『社会調査のための統計学』 - 社会学者の研究メモ
  • 「統計オタク」の分析はつまらない? - 社会学者の研究メモ

    実践としての統計学 作者: 佐伯胖,松原望出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2000/01メディア: 単行購入: 48人 クリック: 629回この商品を含むブログ (16件) を見る 第5章「統計の実践的意味を考える」(佐藤俊樹) 研究会に向けて、同じ社会学者が書いた統計分析についてのエッセイということで読んでみた。頭を整理する意味で、サマリを作ってみた。 5.1 統計解析の「意味」 SPSSなどのソフトウェアの普及のせいで、意味もわからず「ハウツー」で統計分析をする人が増えて、統計学的に間違った分析が横行している。(例:全数調査でカイ二乗検定。) なぜ「ハウ・ツー」ユーザが増えたのか。それは統計パッケージソフトが普及して、統計学の知識がなくても結果だけは出せるようになったからである。(以前はそれができなかったので、結果を出す人は手順の意味を理解していた。) いくら統計パッケー

    「統計オタク」の分析はつまらない? - 社会学者の研究メモ
  • 統計学的想像力を鍛えるためのクイズ2題 - 社会学者の研究メモ

    教科書, 社会調査前回はサーベイ・サンプリングについて、バイアスと誤差の観点から解説をした。今回はその話を含めて、「社会調査や基礎的計量分析の訓練をすることで身につく知識・スキルとは何か」ということを、例題を通じて解説してみようと思う。(注:以下の問題は、京大大学院(非常勤先)の社会調査論、立命館大学の学部社会調査士実習クラスで、導入としていくつかクイズ形式で出して、受講生のみなさんに考えてもらったものです。みなさんの答えを記事中で紹介していますので、受講生の方はご了承ください。)クイズ1:夫婦関係満足度におけるペットの効用研究課題が、「ペットを飼うことは、夫婦関係の円満につながるか?」であるとする。このとき、どういう調査を踏まえて、どういう分析をしたらいいか?この問題は立命館の方で出題したものである。最初の受講生の答えは、「クロスセクション調査で以下のような質問をして関連性を見る」という

    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/21
  • 図(だけ)で説明する回帰分析 - 社会学者の研究メモ

    分かっているようで意外と分かっていないのが回帰分析です。回帰分析の考え方をできるだけ図だけで説明した資料を作りましたので、適宜ご参照ください。 「(ほぼ)図(だけ)で説明する回帰分析」(PDF) 主な内容は、以下のとおりです。 説明変数と撹乱項の相関の理解 予測値の信頼区間をプロットすることの重要性の理解 「変数をコントロールする」ということで曖昧に理解されている内容の理解

    図(だけ)で説明する回帰分析 - 社会学者の研究メモ
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/21
  • 質的研究と量的研究について - 社会学者の研究メモ

    とある出版企画でそういうお話を書かなければいけないので、社会学におけるいわゆる「質的研究」と「量的研究」の区別についてメモを書いておく。 結論から言うと、次のように考えるとミスリーディングである。つまり、「まずある<理論>があって、それを<実証>する手段として質的な研究と量的な研究がある」という考えである。こういう考え方は、混乱のもとであるから、避けたほうがよい。多くの社会調査論のテキストでは調査手段の選択として「質的調査」と「量的調査」を選択することがあるかのように書かれているが、少々説明不足である。そうではなく、さしあたり量的研究とその他のタイプの研究が、量的研究とどのような関係にあるのか、と考えたほうがスッキリする。 分野外の研究者からすれば見えにくいが、実際には量的研究と言っても様々である。が、現状からして、「複数のパラメータを含むモデルを構築し、それをデータに当てはめて統計学的推

    質的研究と量的研究について - 社会学者の研究メモ
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