住民のニーズをいち早く把握して政策立案やサービス改善に結び付けるのが自治体の重要な業務の一つだ。しかし、そもそも自治体自身を客観的に理解するためのデータ収集や分析に困難を感じるケースもある。全国的にもユニークな産業振興への取り組みを進める糸島市のデータ活用事例は、一般企業にも通じるヒントが満載だ。 福岡県糸島市は、福岡市に隣接するベッドタウンで、自然に恵まれ、移住エリアとしても人気の地方都市だ。市の北側と西端部は玄界灘に面し、近海の海産物に恵まれ、晩秋から春には市内の漁港に並ぶ焼き牡蠣を出す漁師直営の「カキ小屋」が有名だ。南部は脊振山地が占め、脊振山系のきれいな水と肥沃な土壌で育てられた農産物も豊かで、沿岸に景色のいいゴルフ場や温泉が点在するなど、さまざまな魅力を備える。 しかし、他の地方自治体と同様に、産業振興の課題も抱えている。同市の経営戦略課で主任主査として住民・産業支援に汗をかいて
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