『NME』『MELODY MARKER』『Rockin' on』『CROSSBEAT』など、国内外問わず数多くの音楽誌でロック・フォトグラファーとして活躍、さらにロック・ジャーナリストとしての顔も持つ〈現場の人〉久保憲司氏が、ロック名盤を自身の体験と共に振り返る隔週コラム。今回は、9月にカタログが一挙紙ジャケ再発(完全生産限定盤)された、スミスの作品をご紹介。 The Smiths 『The Queen Is Dead』 15年くらい前からアメリカなんかでは、スミスを好きであることが、〈本当にダメな奴、ヤバい奴〉の代名詞としてギャグにされていた。イギリスでもストーン・ローゼス以降スミスというバンドはなかったことにされつつあった。イアン・ブラウンなんか初期のライヴではモリッシーと同じ髪型をしていたのに、スミスのスの字も言わなかった。イアン・ブラウンだけじゃない。イギリスで成功しようと思ってい