きっかけは、「円と直線との交点を求める」という作業だった。 2次式で表される円と、1次式で表される直線を連立して、2次方程式を導き出す。そして、その2次方程式の解を求めることで、交点の座標が求まっていく。教科書に必ず載っているようなとても簡単な作業だ。 しかしそのときに私は大きな衝撃を受けた。黒板やノートの数式たちが、自由にキラキラと命を持って動き出したような感じがしたのだ。 「図形」である円や直線が「式」に姿を変え、さらには、xy座標平面上で「関数のグラフ」にまでも姿を変えてしまう。手品のように変幻自在だ。そして、式を連立させたら、2次方程式が、「初めまして!」と言いながら、ポンッと現れる。 まるで、絵本の中の新しい登場人物のようで、しかも、この新しい登場人物である「2次方程式」の「解を求める」となると、「2次関数とx軸との交点を求める」ということを考えることに繋がってくる。「2次関数」