「Industrie4.0はドイツの国際競争力を高め、国内製造業を守るだろう」。 昨年半ば、取材先の薦めで目を通した資料のExecutive Summaryはこの一文で結ばれていた。発行日は2013年4月で、執筆者はドイツ工学アカデミー(acatech)の学識者ら。日本でも報道が増えてきていた「Industrie4.0(インダストリー4.0)」と呼ぶドイツの製造業革新の概念をまとめたもので、そのボリュームは80ページを超す。 Internet of Things(モノのインターネット)、smart factories(考える工場)、additive manufacturing(3Dプリンター、積層造形)などなど。ところどころ太字になったこの資料は、目新しそうなキーワードを盛り込んでいた。{資料リンク} しかし、目から鱗が剥がれ落ちるような新しいコンセプトという印象も受けなかった。なぜなら、