いま不動産市場はどうなっているか。一部には「都心部から人が逃げ出し、郊外への移住が加速する」という論調が見られたが、それは事実ではない。不動産コンサルタントの長嶋修氏は「都心の住宅市場は絶好調で、懸念されていた“オフィス離れ”も起きていない」という。なぜなのか——。 中古市場のマンション価格はむしろ上昇基調に 2020年、日本や世界を新型コロナウイルスが席巻し、不動産市場は大きな打撃を受けた。とりわけフランス・パリは2度目のロックダウンに入り、アメリカ・ニューヨークは中心部から郊外に脱出する動きが加速している。日本でも4月から5月における緊急事態宣言下では不動産取引が半減した。こうした中、多数のメディアや識者からは「不動産市場が崩壊する」「都心部・都市部から人が逃げ出し、郊外や地方への移住が加速する」といった論調が見られた。 筆者のもとには連日「新型コロナウイルスの影響をどう見ているか?」