農林水産省によれば東日本大震災に伴う津波で流失・冠水した農地面積は青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県の合計で2万3,600haと推計されている。また、福島第一原発の事故に伴う放射性物質によって汚染された農地の面積は未だ明らかにされていない。4月22日の段階で公表されている福島県の警戒区域、計画避難区域、緊急時避難準備区域に含まれる12市町村の農地面積だけでも約2万6,000ha、稲の作付面積で約8,500haだという。放射性物質による汚染は今後調査が進むにつれて福島県以外の地域にもさらに拡大するであろうことは前号で本誌が指摘している通りである。本号では、農地被害の内、塩害対策および放射性物質除染として機械技術レベルの高い農業経営者であれば対応が可能な技術を紹介したい。水利関係や基本的基盤整備に関しては専門土木業者の手によらざるを得ない。しかし、多くの土木業者は一般の民生復興のための業