ジュラ紀の恐竜たちが言いました。 「君たちの時代は寒くて大変だね」 氷河期のマンモスが答えます。 「あなたたちの時代は暑くて大変でしたね」 50歳〜60歳くらいのオジサマたちに言わせると、私たちがこれから生きる時代は「困難な時代」なのだという。 たしかに戦争の恐怖は遠いものになったが、いまの平和は一時的なものかも知れない。世界経済は爆弾を抱えた状態だ。自然災害に襲われる可能性だってある。グローバル化により多様な価値観が流入し、幸せになるための道筋が――つまり「物語」が見えなくなった。将来は不透明なのに、どういう生き方をすべきかの指針がない。「いい学校を出ていい会社に入る」だとか、「ノマドな人材になって国際的に活躍する」だとか、今までの「物語」が通用しなくなった。そういう物語が多くの人にとって実現不可能だということに、私たちは気がついた。 未来が見えないのに、頼るべき羅針盤がない。だから不安