2021年6月、東京都内の公園で遊んでいた南アジア出身の40代の女性と当時3歳の長女が、警視庁の警察署で不当な任意聴取を受け個人情報を漏らされたとして、都に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が5日、東京地裁(片野正樹裁判長)であった。当時、公園に居合わせた男性が「警察官が3歳の女の子に『おまえ本当に日本語しゃべれねえのか』と言った。こんな口調で話すのかとショックを受けた」と証言した。
東京都武蔵野市の松下玲子市長は9日、市役所で臨時記者会見を開き、10日付で市長の退職届を提出すると発表した。地方自治法に基づき、30日付で辞職となる見通し。立憲民主党の菅(かん)直人元首相の後継候補として、次期衆院選東京18区(武蔵野市、小金井市など)に出馬する。 松下市長は辞職の理由について「市長としてさまざま取り組む中で、国の制度の壁を経験した。それを変えるために国政に挑戦するという決意に至った」と説明。任期途中での辞職となったことについては「任期を全うできず、市民に申し訳ない」とした上で、「解散総選挙がいつあるか分からない中で、急に市長を辞職することになる方が市政に混乱を来しかねないと考えた」と理解を求めた。
「稼げる大学」法の廃止を求め、記者会見する(左から)東京大の隠岐さや香教授、明治学院大の石原俊教授、お茶の水大の米田俊彦教授、筑波大の吉原ゆかり准教授 大規模な国立大学法人に合議体の設置を義務付ける国立大学法人法改正案は大学の自治を破壊するとして、改正案に反対する大学教授や弁護士らでつくる「『稼げる大学』法の廃止を求める大学横断ネットワーク」は7日、東京都内で記者会見を開いた。 改正案では、東京大や京都大など大規模な国立大学法人に6年間の中期計画や予算を決議する「運営方針会議」の設置を義務付ける。会議は外部有識者ら3人以上の委員と学長で構成され、学長に運営の改善を要求できる。政府は先月31日に改正案を閣議決定し、早期の成立を目指している。 会見で東京大の隠岐さや香教授は「クリエーティブな研究をするにはボトムアップが必要なのに、トップダウンで進めれば周回遅れになる。軍事研究が後押しされる可能
法制審議会(法相の諮問機関)が導入を議論している離婚後の「共同親権」を巡り、ドメスティックバイオレンス(DV)被害者らを支援する民間の4団体が23日、都内で記者会見を開いた。子どもがどこに住むかを決める民法上の「居所指定権」を別居親にも与える案が浮上していることについて「DVや虐待の被害者を危険にさらすものだ」と反対を表明した。 ひとり親世帯を支援する認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長で、法制審家族法制部会委員でもある赤石千衣子氏は会見で「居所指定権を含む共同親権が導入されたら、DV被害者は居場所を隠せなくなる」と懸念。病児保育を運営する認定NPO法人「フローレンス」会長の駒崎弘樹氏も「国民がリアルタイムで内容を知ることのできない会合で、DVや虐待の実態と懸け離れた議論が行われている」と批判した。
「裁判長に『自分は秀でているものが本当にないと思っているのか』と問われて、堪忍袋の緒が切れそうになったこともありました」 東京都文京区の東京大前で昨年1月、受験生ら3人を刺したなどとして、殺人未遂などの罪に問われた当時17歳で名古屋市内の高校2年だった男(19)の裁判員裁判。27日の最終意見陳述で男は改めて被害者に謝罪しつつ、「大変ぶしつけではありますが、そうした心持ち(堪忍袋の緒が切れそう)であったことも報告します」と冒頭の告白をした。
スポーツの秋。東京都内の中学生の保護者から体操服についての情報が本紙「ニュースあなた発」に寄せられた。白が定番のはずの学校の体操服が「上下紺色になった」というのだ。理由を調べてみると、背景には気候や生活スタイルの変化があった。(小寺香菜子)
経済同友会の新浪剛史代表幹事は3日の会見で、国民皆保険制度を巡る先月末の発言について「私の本意とは違った形でネットなどで取り上げられた」と釈明した。X(旧ツイッター)上や一部報道では、新浪氏が廃止や民営化を主張したかのように受け止められていたが、「国民皆保険は常々、世界に誇れる素晴らしい制度だと考えている」と否定した。 新浪氏は9月29日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見。国民の健康寿命を延ばす重要性に触れ、「病気になってから対症療法をするのではなく、元気でいられるための医療に切り替え、そのための医療制度、保険制度に作り替えていく。ここは民間主導の、民間が投資していく分野で、国民皆保険ではなく民間がこの分野を担っていったらどうか」と語る場面の動画が切り取られ、X上で拡散していた。 新浪氏は「『この分野』というのは未病領域であって、予防医療や健康増進などの分野のこと。この分野は現行の国民皆
「地上の楽園」だまされた… 「北朝鮮帰還事業」韓国が異例の調査に着手 日本から9万3000人渡航、被害解明へ 【ソウル=木下大資】1959~84年に多くの在日朝鮮人らが北朝鮮に渡った「帰還事業」に対し、韓国政府の調査機関「真実・和解のための過去事整理委員会」が調査を行うと決定したことが分かった。関連資料の収集や脱北者への聞き取りなどを通じ、北朝鮮が「地上の楽園」とする虚偽の宣伝によって事業が進められた経緯や被害の把握を目指すとみられる。 真実・和解のための過去事整理委員会は、韓国政府が設置した独立機関。軍事政権による過去の人権弾圧事件などを調査し、真相究明や被害者の名誉回復を行っている。韓国は憲法上、北朝鮮も自国の領土と位置付けるものの、日朝間で行われた帰還事業を調査対象にするのは異例だ。尹錫悦(ユンソンニョル)政権が北朝鮮の人権問題を国際社会に提起する姿勢を打ち出す中、韓国として初の公式
東京都渋谷区の男性副区長(64)=辞職=から区の公用チャットシステムで誹謗(ひぼう)中傷された桑水流(くわずる)弓紀子(ゆきこ)区議が本紙のインタビューに応じた。区は問題の経緯を調査中だが、職員による自己申告にとどまっており、実態解明や再発防止につながるかは不透明だ。桑水流氏は「区は問題と真摯(しんし)に向き合ってほしい」と訴える。(中村真暁) いずれも区立神南小学校周辺の再開発を議論した区議会区民環境委員会の後、チャットシステムに投稿された。私は区民からの疑問や計画の不明点を指摘していて、それが投稿につながったと思う。選挙期間中に見知らぬ男性から脅迫されて身の危険を感じたことがあり、住所は非公表にしていたが、副区長は私の住所を示した上で「封じておかないとね」と書き込んだ。
沖縄防衛局によると、22年度、辺野古の新基地建設に支出した額は815億円。着工から21年度までにかかった工費と合わせると、総額で4312億円に達した。 一方で、22年度末時点の工事の進捗を見ると、事業全体の埋め立て土量2020万立方メートルのうち、4年余りで埋め立てた量は14%。しかも、これまで埋め立ててきた場所は、工事がしやすい水深の浅い海域だ。 防衛省は4年前、軟弱地盤対策のため総工費を9300億円に引き上げた。 辺野古の軟弱地盤 辺野古沿岸部東側の埋め立て予定地の海底に、「マヨネーズ並み」と評されるほどの軟らかい粘土層が広がっている。最深で水面下90メートルにまで及ぶ。防衛省は2015年に軟弱地盤の存在を把握していたが、その事実を伏せてきた。政府が存在を認めたのは、土砂投入を始めた翌月の19年1月。防衛省は「地盤改良すれば建設可能」として、大幅な設計変更を行った。深さ90メートルにま
「排除ベンチ」の排除に成功──。今年7月、神奈川県平塚市のJR平塚駅前に置かれているベンチの座面の仕切りが取り外された。かつて野宿者(ホームレス)対策で後付けされたとみられ、市議の江口友子さん(47)が設置者の市に改善を働きかけた。長居しにくいデザインのベンチやオブジェは「排除アート」と呼ばれ、特定の人たちの利用を物理的に妨げている。江口さんは「ベンチは本来、コミュニケーションの場。誰かを排除するためにあるのではない」と訴える。(佐藤圭) 排除アート 明確な定義はないが、ホームレスなど特定の人による公共空間の利用を物理的に妨げている造形物を指すことが多い。座面が仕切られた公園やバス停のベンチ、高速道路の高架下や歩道橋の下に置かれたオブジェ風の丸石などが代表例。1990年代以降、設置者の意図にかかわらず、「アート」と呼ばれるようになった。2020年、東京・渋谷でホームレスとみられる60代女性
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