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ブックマーク / blog.tatsuru.com (455)

  • 夏時間について - 内田樹の研究室

    8月末に「サンデー毎日」に夏時間についての原稿を寄せた。 今朝の毎日新聞によると、さいわい五輪前の夏時間導入は各界からの反対によって、見送りになったようである。 よかった。 というわけで夏時間導入反対の論は速報性を失ってしまったけれど、せっかく書いたことなので、「歴史的文献」としてご笑覧を請うのである。 ここから↓ 東京五輪組織委員会が「酷暑」問題で追い詰められて、迷走している。 開催は2020年の7月24日から8月9日までの17日間。今年の同時期の東京の暑さは尋常なものではなかった。23区内の熱中症による死者数は120人に達した。この時期に炎天下で運動競技を行うことがアスリートの健康によいはずがないことは誰にもわかる。最も心配されるのがマラソンで、朝7時スタートを予定していたが、今年はその時間ですでに30度を超す日があった。 五輪期間中の暑さ対策としてこれまで提案されたのは「打ち水、浴衣

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    PEH01404 2018/09/28
  • ある編集者への手紙 - 内田樹の研究室

    はじめまして、内田樹です。 メールありがとうございます。 新潮社の友人たちからいろいろと内情は伺っております。 「新潮45」にも三重さんが編集長をしているころは何度か寄稿させて頂きましたので、愛着のある雑誌です。休刊ということになったのは僕も残念です。 このような事態に立ち至った責任はもちろん編集者にあります。 このような局面で、ほんらいならば公的なかたちで、その執筆意図について説明責任を果たし、批判に対して反論するなり、あるいは事実誤認について謝罪するなりして、「新潮45」とともに批判の前面に立つべきときにそれを怠って雲隠れするような人物に寄稿を依頼し、あまつさえ擁護の論陣を張ったという編集者の判断の致命的なミスの「つけ」を新潮社が払ったということだと思います。 出版の社会的使命は何か、それぞれの媒体はどのようなメッセージを、どのような文体において発信すべきか、その企図をどのような人物に

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    PEH01404 2018/09/26
  • 言論の自由について - 内田樹の研究室

    以前にもブログに掲載した旧稿だけれど、『新潮45』の休刊という事件を迎えて、改めて「言論の自由」についての私見を明らかにしておきたいと思って再録。 かつてマスメディアが言論の場を実効支配していた時代があった。讀賣新聞1400万部、朝日新聞800万部、「紅白歌合戦」の視聴率が80%だった時代の話である。 その頃の日人は子どもも大人も、男も女も、知識人も労働者も、「だいたい同じような情報」を共有することができた。政治的意見にしても、朝日から産経まで、どれかの新聞の社説を「口真似する」というかたちで自分の意見を表明することができた。それらのセンテンスはほぼ同じ構文で書かれ、ほぼ同じ語彙を共有しており、ほぼ同じ論理に従い、未来予測や事実評価にずれはあっても、事実関係そのものを争うことはまずなかった。それだけ言説統制が強かったというふうにも言えるし、それだけ対話的環境が整っていたとも言える。 もの

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    PEH01404 2018/09/25
  • 大学院の変容・貧乏シフト - 内田樹の研究室

    毎月ある地方紙にエッセイを寄稿している。これは8月分。 人口当たりの修士・博士号取得者が主要国で日だけ減っていることが文科省の調査で判明した。これまでも海外メディアからは日の大学の学術的生産力の低下が指摘されてきたが、大学院進学者数でも、先進国の中でただ一国の「独り負け」で、日の知的劣化に歯止めがかからなくなってきている。 人口当たりの学位取得者数を2014~17年度と08年度で比べると、修士号は、中国が1.55倍、フランスが1.27倍。日だけが0.97倍と微減。博士号は、韓国が1.46倍、イギリスが1.23倍。日だけが0.90倍と数を減らした。 当然だと思う。さまざまな理由が指摘されているけれど、一言で言えば「大学院というところが暗く、いじけた場所になった」からである。若くて元気な人間なら、せっかくの青春をそんなところで過ごしたくはない。 と書いておいてすぐに前言撤回するのも気

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    PEH01404 2018/09/10
  • 高校生へひとこと - 内田樹の研究室

    ある高校から40周年記念冊子のためのコメントを求められた。 以前に一度講演に行ったことがあるので、そのご縁である。 なかなか気合の入った高校生たちだった記憶があるので、ひとことコメントを寄せた。 40周年おめでとうございます。 ここまでの40年とこれからの40年では、世界の様相の変化のスピードがずいぶん違うはずです。 これからはかつてなかったほどの速度で世の中が変わってゆく。それに適切に対応しないと、生き延びることができない。 みなさんには、その覚悟を持って、新しい時代に臨んでほしいと思います。 いつの時代でも、新しいテクノロジーの登場はそれまでの産業構造を一変させます。でも、産業革命から後でも、新しいテクノロジーの出現から産業構造の全面的な改造までのあいだには、ある程度のタイムラグがありました。 電気の登場からその商業的利用までには46年かかりました。電話は発明されてから35年、ラジオは

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    PEH01404 2018/08/01
  • 受験生のみなさんへ - 内田樹の研究室

    「サンデー毎日」の先週号に「受験生のみなさんへ」と題するエッセイを寄稿した。 高校生や中学生もできたら小学生も読んで欲しい。 受験生のみなさんへ。 こんにちは。内田樹です。この春受験を終えられた皆さんと、これから受験される皆さんに年長者として一言申し上げる機会を頂きました。これを奇貨として、他の人があまり言いそうもないことを書いておきたいと思います。 それは日の大学の現状についてです。いま日の大学は非常に劣悪な教育研究環境にあります。僕が知る限りでは、過去数十年で最悪と申し上げてよいと思います。 見た目は立派です。僕が大学生だった頃に比べたら、校舎ははるかにきれいだし、教室にはエアコンも装備されているし、トイレはシャワー付きだし、コンピュータだって並んでいる。でも、そこで研究教育に携わっている人たちの顔色は冴えません。それは「日の大学は落ち目だ」という実感が大学人の間には無言のうちに

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    PEH01404 2018/03/23
  • 直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」 - 内田樹の研究室

    山形新聞に隔月連載しているエッセイの3月分。今回は韓国教育改革について書いた。 韓国に毎年講演旅行に出かけている。ご存じないと思うけれど、私の著作は教育論を中心に十数冊が韓国語訳されていて、教育関係者に熱心な読者が多い。ここ三年ほどの招聘元は韓国教育監である。見慣れない文字列だと思うが、日とは教育委員会制度が違っていて、韓国は全国が17の教育区に分割されていて、それぞれの区での教育責任者である教育監は住民投票で選ばれているのである。 数年前にこの制度が導入された結果、多くの教育区で教員出身の教育監が誕生した。彼らは自身の教員経験を踏まえて、できるだけ教員たちを管理しないで、その創意工夫に現場を委ねるという開明的な方針を採った。その結果、日ではまず見ることのできない自由な校風の公立学校が韓国の各地に続々と誕生している。 そういう歴史的文脈の中で、私のような人間が各地の教育監に公式に招

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    PEH01404 2018/03/17
  • 時間意識と知性 - 内田樹の研究室

    ポートアイランドの理化学研究所というところに招かれて、自然科学の専門家たちを前にしてお話をしてきた。せっかくの機会なので、人間の知性とは何かという根源的なテーマを選んで70分ほど「ごった煮」的なレクチャーをした。聴衆のリアクションがとてもよかったので、つい暴走して、いろいろふだん言わないようなことまで口走ったので、備忘のためにここに記しておく。ものすごく長い話なので、ここに掲げたのはその半分くらいである。 『ブレードランナー2049』は「人間とレプリカントを識別する指標は何か?」という問いをめぐる物語である。それは「最終的に人間の人間性を担保するものは何か?」という問いに置き換えることができる。 人間性とは突き詰めて言えば何なのか?それ以外のすべての条件が人間と同じである人工物を作り得たとしても、それだけは与えることができないものがあるとしたら、それは何か? これは古い問いである。おそらく

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    PEH01404 2018/02/02
  • 『街場の文体論』韓国語版序文 - 内田樹の研究室

    街場の文体論 韓国語版の序文 みなさん、こんにちは。内田樹です。 『街場の文体論』お買い上げありがとうございます。お買い上げでなく、いま書店で立ち読みしている方にもお手に取ってくださったことについてお礼申し上げます。 このは僕が神戸女学院大学に21年間勤めて、退職する前の最後の学期に行った「クリエイティブ・ライティング」の講義録に加筆したものです。教壇で半年間まとまった講義をするのもこれが最後でしたので、僕がそれまで言語と文学について考えてきたことを全部詰め込んだ、欲張りな授業でした。 これが韓国語訳されることになったわけですけれど、果たして僕がこの授業で取り上げたさまざまなトピックが隣国の読者たちにとっても同じような切実さを持つものかどうか、確信がありません。でも、一つ言えるのは、韓国でも日でも、言語が遭遇している危機についてはおそらくそれほどの違いはないということです。それは母語が

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    PEH01404 2018/01/31
  • 「ローカリズム宣言」まえがき - 内田樹の研究室

    みなさん、こんにちは。内田樹です。 今回は「ローカリズム宣言」というタイトルで、地方移住、定常経済などにかかわる文章をまとめてを一つ作りました。の素材になったのは、このの出版社が出している『TURNS』という雑誌で二年ほどにわたって連載したインタビュー記事です。 『TURNS』というのはUターン(生まれ故郷へ帰還する)、Jターン(生まれ故郷とちょっと違う土地に住み着く)、Iターン(都会に住んでいる人がぜんぜん縁のない土地へ移住する)という三種類の「ターン」のことです。この雑誌はそういうふうに「ターン」して、地方移住をめざす人たちのための情報誌です。 最初に『TURNS』から取材のオッファーがあったときには、この世にそんな特殊な読者を対象にした特殊な雑誌があるなんて知りませんでした。どこにも広告も出していない、名前も知らなかった雑誌にそれなりのニーズがあるということにまず驚きました。実

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    PEH01404 2017/12/05
  • 日本。長髪とフォークの思想 - 内田樹の研究室

    11月22日付けのLibération に日の70年代ポップスについてのOlivier Lammという署名入りの長文の記事が掲載された。 はっぴいえんどの四人の写真が掲げられた記事を見てびっくりした。なんで「リベラシオン」にはっぴいえんどが出るんだと思って記事を読んだら、まことに興味深い内容だった。 You Tube のせいで今は世界中のあらゆる時代の楽曲を好きなだけ聴けるようになったわけだけれど、その過程でヨーロッパのユーチューバーたちは偶然日の60~90年代のポップスを「発見」したのである。そして、そのクオリティの高さにびっくりした。 「日ポップス、すげえ」と思ったプロデューサーが日ポップスの網羅的なコンピレーションアルバムを作成する企画を出し、それが実現したという話である。 その経緯を知ったオリヴィエ・ラムさんという日ポップス大好きなフランス人が「日のポップスは1970年

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    PEH01404 2017/11/24
  • 橘真さんのこと - 内田樹の研究室

    橘真さんが亡くなった。 数年前から癌で闘病生活を過ごしておられたけれど、今年の五月に『哲学するレストラトゥール』という著書を出した後、グランフロントで江さんと対談したりしたので、病と折り合いながら、これからじわじわと多彩な活動を展開してくれるのだろうと期待していた矢先の訃報だった。 橘さんとはじめて会ったのは『ためらいの倫理学』が出た直後2001年の秋のことで、その頃『Meets regional』の編集長だった江弘毅さんとお二人で岡田山の僕の研究室を訪ねてくれたのである。頂いた名刺で江さんが雑誌編集長だということはわかったので、たぶん原稿の依頼だろうとは思っていたけれど、橘さんが何者だかはわからない。 その江さんはその話はひとこともしないでアジサカコウジさんから届いたという『ためらいの倫理学』の感想文(巨大ポスターの裏にサインペンで書いてあった)を見せてくれた他は最初から最後まで江さんが

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    PEH01404 2017/10/25
  • 昨日の朝日新聞への寄稿 - 内田樹の研究室

    昨日(10月2日)の朝日新聞にやや長めのコメントを寄せた。 総選挙について。日替わりで事件が起こるので、書いた段階では立憲民主党の結党のニュースはまだ知られていなかったので、それについては言及がない。 北朝鮮ミサイル問題で政権の支持率が回復し、野党第1党の民進党は離党ドミノで弱体化しているのを好機と見て、安倍晋三首相は国会解散を決めました。 ところが、思いがけなく小池百合子・東京都知事の新党が登場し、そこに民進党が合流することになって、いきなり自民党は政局の主導権を奪われてしまった。 しかし、個人的にはこのカオス的状況を歓迎する気分にはなれません。 民進党の議員たちはこれまで主張してきた「安保法制反対・改憲反対」を棄てて180度逆の立場に立たなければ公認されないという「踏み絵」を踏まされようとしています。新党は反立憲・独裁志向の安倍自民党のさらに右に、自民党以上に新自由主義的で排外主義的な

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    PEH01404 2017/10/03
  • ガーディアンの記事から「東京五輪買収疑惑に新たな局面」 - 内田樹の研究室

    9月13日付のイギリスの「ザ・ガーディアン」がリオと東京の五輪招致にIOCの票の買収があった容疑について新展開があったことを報じた。以下が記事。 リマでの総会で2024年パリ、28年ロサンゼルスでの五輪開催を決定したニュースに世界の耳目が集まることを期待していたその日に、2016年リオ、2020年東京五輪の招致チームによる買収容疑についての新たな疑惑をIOCは突き付けられた。 二つの開催地が決定した直後に汚職スキャンダルの渦中の人物が高額の時計や宝石を購入していたという調査結果が出て、この二都市の決定についてさらなる調査が開始されることになった。この事実がIOC総会での2024年、2028年の開催地決定セレモニーに暗い影を落としている。 『ガーディアン』紙は資料を精査して、信用を失墜した前IOC委員ラミーヌ・ディアクの息子パパ・マッサタ・ディアクがリオと東京の招致キャンペーンの前後にフラン

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    PEH01404 2017/09/15
  • 若者の政治参加についてのアンケートにお答えした - 内田樹の研究室

    高校生からこんなメールが届いた。 「突然ですが、メールにて失礼致します。 現在、私の学校では『答えが無い問題の解決策を探求する』というテーマのもとで、各グループに分かれて、経済や医療等の様々なジャンルから、テーマ設定をし、課題研究活動を行っています。 私のグループでは、『学生運動とこれからの政治参加』という主題で、60年代安保闘争から、SEALDsの活動まで、国内外の政治運動の比較を通じ、今後の政治参加には何が必要かという事を研究しています。 その活動を進める中で、いくつか浮かんできた疑問について意見を聞かせて頂きたく、メールを送らせて頂きました。 以下、質問事項になります。 〈質問1〉 民主党は野党として機能していると思いますか。 又、野党のあるべき姿とは、どのようなものだと考えますか。 〈質問2〉 現代の、10代~20代の若者は政治への関心が高いと思いますか。 可能であれば、理由も教え

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    PEH01404 2017/09/13
  • 米朝戦争のあと - 内田樹の研究室

    7月に、ある雑誌のインタビューで、米空母の半島接近で、北朝鮮アメリカの間で戦端が開かれる可能性はあるでしょうか?という質問が出ました。 戦争が始まる可能性はあるのか。あるとしたら、どういうかたちになるのか。その後何が起こるのかについて、そのときこんなことを申し上げました。 米朝戦争ということになれば、アメリカはすぐにICBMを打ち込んで、北朝鮮は消滅することになると思います。 でも、北朝鮮が消滅する規模の核攻撃をしたら、韓国中国ロシアにまで放射性物質が拡散する(日にも、もちろん)。朝鮮半島や沿海州、中国東北部の一部が居住不能になるような場合、アメリカはその責任をとれるでしょうか。 空母にミサイルが当たったので、その報復に国を一つ消滅させましたというのは、いくらなんでも収支勘定が合いません。人口2400万人の国一つを消滅させたというようなことは、さすがに秦の始皇帝もナポレオンもやって

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    PEH01404 2017/09/05
  • シンギュラリティと羌族の覚醒 - 内田樹の研究室

    安田登さんをお招きして、ご高著『あわいの時代の「論語」』刊行記念3時間セミナー(ほぼしゃべりっぱなし)というイベントを凱風館で開いた。 頭の中に手を入れて引っ掻き回されるようなわくわくする経験だった。 備忘のために、すごく興奮した話題を一つだけ書き止めておく。 それはsingularityはAIが人類史上初めてではなく、3回目という話。 一度目は数万年前に頭蓋骨が巨大化したとき、二度目は文字が発明されたとき。 その時、安田さんから周りの人たちと「文字が発明されたときに、文字がなかった時代と何が変わったのか?」相談してみてくださいと言われて、隣に座っていた光嶋くん、神吉君、浅野パパと3分間ほどブレーンストーミングをした。 文字の出現というのは脳内に記憶しておくべきことを外部記憶装置に転写することができるようになったわけだから、脳内の「デスクトップ」が広く使えるようになったというのがとりあえず

  • 「経済成長という呪い」 - 内田樹の研究室

    ダニエル・コーエンの『経済成長という呪い』というを車中で読んでいる。経済成長の鈍化と21世紀の世界についての分析である。 中心的な問いの一つは、なぜデジタル革命は経済成長に大きな影響を与えなかったのかというものである。 20世紀の発明、白熱電球、無線電信、内燃機関、電話、映画などは人々の生活を一変させ、大きな経済成長をもたらした。 でも、インターネットは消費者の日常生活のありようを大きく変えはしたけれど、経済成長への影響は限定的なものにとどまった。 なぜか。 理由の一つはインターネットのサービスが基的に無料だということである。 インターネットで金儲けをしようと思ったら、「オールド・エコノミー」の手法に戻らなければならない。ネットを広告媒体に使ったり、関連商品に誘導したりするのは、ハイウェイの路肩にペンキで手書きの看板を立てるようなものである。 それに、インターネット関連ビジネスはあまり

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    PEH01404 2017/08/28
  • 変節と変態について - 内田樹の研究室

    信州岩波講座というイベントで加藤典洋さんとご一緒した。「変わる世界 私たちはどう生きるか」という総合テーマでの連続講演の第二回目である。 主宰は岩波書店と信州毎日新聞と須坂市。もうずいぶん長いこと続いているイベントとのこと。 加藤典洋さんが「どんなことが起こってもこれだけは当だ、ということ 激動の時代と私たち」というお題で1時間、僕が「帝国化する世界・中世化する世界」で1時間。その後対談と質疑応答。 加藤さんは「どんなことが起こっても『これだけは当だ』と言い切れる」腹の底にしっかりすわっている身体実感と、「こういうふうに考えるのが正しい」という叡智的な確信の間のは必ず不整合が生じると言う。 それを二階建ての建物に喩えた。身体実感が一階部分、知的確信が二階部分に当たる。 その二つが一致しているように思える時もある。けれども、歴史的与件が変わると、二階部分が現実と齟齬するということが起きる

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    PEH01404 2017/08/28
  • 英語の未来 - 内田樹の研究室

    このところTwitter中心の発信で、ブログにまとまったことを書くということをしていなかった。締め切りに追われて、それどころじゃなかったのだけれど、やはりブログの更新が滞ると寂しいので、今日からまた再開することにした。 以前は毎日のようにブログにエッセイを書いていた。 前にも書いたけれど、これはバーナード・ショーに学んだ。 ショーは毎日『タイムズ』の読者からのお便りコーナーに投稿することを日課としていた。『タイムズ』は毎日バーナード・ショーから無料エッセイが届くのだからありがたい限りであるけれど、それでも毎日「読者のお便り」コーナーに掲載するわけにはゆかない。ときどき掲載して、残りは没にしていた。 でも、ショーは原稿をタイピングするときにコピーを取っておいて、投稿したものが何年分かたまったところで、それを出版社に持ち込んでにした。 「なんと無駄のない人生であろう」とぱしんと膝を打ち、それ

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    PEH01404 2017/08/26