厳しいタイトルなのは承知の上である。でも、ぼくは「ああいう」のが一番嫌いで、醜悪だと思っているので、敢えて苦言を呈する。 盟友の香坂俊先生から「コンサルテーションの極意」というタイトルで、慶応大学のグランドラウンズに招待された。ここのところ多忙で(ほんと)講演のたぐいはお断り気味なのだが、香坂先生の依頼とあっては断ることはかなわない。二つ返事で承知した。 ぼくの前に、各科から15分程度のプレゼンテーションを受ける。最初は香坂先生自身であり、術前心疾患(冠動脈疾患)ワークアップの理念と実践について、相変わらず切れ味優れたレクチャーを受けた。 が、その後、ぼくはだんだん不機嫌になっていく。「コンサルテーションの極意」たるレクチャーの八割がたが、「俺様を呼ぶからには、最低これだけはやっておけよ」レクチャーだったからだ。 研修医に一番嫌われる指導医とは、厳しい指導医でも、細かい指導医でもなく、「一