第19回:アンナプルナ南壁 7,400mの男たちとびきりの難易度で知られるヒマラヤ8000メートルの岩壁、アンナプルナ南壁。大量の積雪で知られ、雪崩が多く、過去にたくさんのクライマーが命を落としている。この南壁に挑戦したスペインのベテラン登山家、イナキ・オチョア・デ・オルツァが7400メートル地点のキャンプで高山病にかかってしまい、身動きがとれなくなってしまう。 「キラー・マウンテン」とも呼ばれるアンナプルナ南壁での登山家たちの救出劇を追う酸素は薄く、そこにいるだけでも生命力が奪われていく高度。高山病を発症したイナキをそのままにしていれば、長くは持たない。しかし登るのも下るのもきわめて困難なルート、しかも頂上直下の高度という厳しい場所。どうやって助けるのか? その「SOS」に応じたのが、世界10か国の12人の登山家たち。ある者は、晩ごはんを食べてくつろいでいるところに報を聞き、夜9時に現地