2019年5月28日に川崎市で発生した事件について、被害に遭われた方、ご家族の皆様に謹んで哀悼の意を表する。 この襲撃事件は、全国の家族に「自分の子も、あのような事件を起こしてしまうのではないか」という衝撃を与えた。実際、内閣府の中高年ひきこもり実態調査のときよりも、事件の後のほうが当会への相談の問い合わせは増えている。 ただ、ひきこもり状態にある人が、このような事件を引き起こすわけではない。ひきこもる行為そのものが問題なのではない。むしろ、ひきこもる人は、職場や学校で傷つけられたり傷つけたりするのを回避した結果、他者との関係を遮断せざるを得ない状況に追いやられた人が多く、無関係な他者に対し危害を加えるような事態に至るケースは極めて稀である。 事件の背景に「ひきこもり」という単語が出てくると、メディアは「なぜここまで放置したのか」などと家族を責め立てるが、周囲が責めれば責めるほど、家族は世