突然ですが,「ソフトウエア・エンジニアリング(software engineering)」という言葉がいつ頃できたのか,ご存じでしょうか。読者諸兄にはご存じの方も多いと思いますが,1968年にNATO(北大西洋条約機構)の会議で「言葉」として生まれました。当時,そう呼べるほどのものがあったというよりも,ソフトウエア開発に「エンジニアリング」が必要だ,との認識が出たことで,この用語が提案されました。 その1968年から38年後。ここ日本で,果たして「ソフトウエア・エンジニアリング」というのは,どれほど浸透し,認知され,そして実践されているのでしょうか。 「ソフト工学など,現場のソフト開発には役に立たない,机上の空論だ」という意見もまれに耳にしますが,私は少なくとも,知らないよりは知っている方が,無駄な手戻りを減らし,結果的に高品質なソフトウエアを作ることができる。そのくらいの成熟度には,十分