「あのハチワレ、保護してうちで飼おうと思うんだ」 ある日の夕食時、私はツレアイに切り出した。彼もハチワレの存在は知っており、2人でアパートの前を通る際には、一緒に撫でたりしてかわいがっていた。 (末尾に写真特集があります) 「はあ?何を言ってんの、そんなの無理だよ」 耳を疑った。まさか頭ごなしに否定されるとは思っていなかったからだ。 「え、だって、野良猫は飼ってあげたほうがいいって、前に言ってたじゃない」 「そうだけど、それは飼える環境にある人がすることで、うちでは無理だよ」 「でも、“にゃーにゃ”のときは、飼ってあげればって言ったよね」 「まさか本当に飼うって言い出すとは思わなかったから」 少し腹が立った。ブティックで新作のバッグを買おうかどうしようか迷っている友人に「買っちゃえば」と言うような、無責任な後押しと同じレベルだ。 彼が反対する理由はこうだった。 一軒家ならまだしも、外にいた