JR西日本岡山支社所属の男性運転士(故人)が、仕事のミスを理由に就業規則に定めのない賃金カットをされたとして、JR西に未払いの賃金43円と残業代13円、慰謝料200万円などを支払うよう求めた訴訟の判決が19日、岡山地裁であった。奥野寿則裁判長は、違法な賃金カットだったとして、JR西に未払い賃金と残業代の計56円を支払うよう命じた。慰謝料については請求を棄却した。 判決によると、男性は2020年6月、岡山市のJR岡山駅で回送列車の入庫作業をした際、待機するホームを間違えて1分の遅れを出した。JR西は「遅れた分は労働実態がない」として、「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づき、1分間の賃金にあたる43円を給与から差し引いた。 男性は21年3月、カットされた賃金と、作業の遅れで生じた残業代13円、精神的苦痛を受けた慰謝料の支払いをJR西に求めて岡山地裁に提訴していた。関係者によると、男性は今年病死