「第2歩」と書いたからと言って続くかどうかはわからない、なにしろ僕は気まぐれだからね。 とりあえず第1歩で、手でいじれる圏の例が1つは手に入りました。圏論のような抽象的/一般的な理論を納得するには、具体的な例をたくさん知って、具体例に一般論を適用してみるのがいい方法だと思います。 そこで、関手だの自然変換だのに進む前に、もうひとついじり倒せる具体例を出しておきましょう。しりとりの圏よりは少しだけ高級で、行列(マトリックス)を考えます。僕は、高校で2×2行列の計算を無意味にやらされた記憶があるのだけど、今の教育はどうなっているかしら? ともかく、行列計算の経験は仮定します。 内容: 行列の復習 行列の圏 圏の名前付けとか記号とか ホムセットと矢印記法 図式順記法と反図式順記法 全体目次 行列の復習 行列は、数を四角形に並べたモノです。ここで、「数」は実数だとしておきます。横の並びが行で、縦の