昨年から日本のマスコミは、日本の若者がビールを飲まなくなっていることに危機感を持って伝えている。もともとお酒をあまり飲まない若者世代は、世界で最も愛されている麦とホップの飲み物を特に毛嫌いしているようだ。ビールは苦くてまずい、と彼らはいう。 このビールに対するあからさまな嫌悪は、飲み会や接待の席で“とりあえずビール”で乾杯してきた、古い世代の人たちには理解できないかもしれない。しかしそのビール嫌いの感情は、今日みられる若者のカルチャーや生活に対する姿勢と傾向を反映している。 ここで肝心なのは“最初のひと口でビールを好きになる人はほとんどいない”という点だ。例えば、学生時代に何度となく開かれる飲み会で苦い経験を味わってきたからこそ、人々はビールの苦味そのものを楽しめるようになる。ビールは酔うという一時的な快感も得られるが、継続的に飲んで味を覚えていく努力も必要。それはまさしく徐々に慣れ親しん