『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』(武居俊樹著・文春文庫)より。 (赤塚不二夫さんの前夫人・登茂子さんが、著者に語った「マンガ家・赤塚不二夫の仕事に対する姿勢」。登茂子さんは新米イラストレーター時代に赤塚さんのアシスタントになり、その後結婚されています) 【私も絵が少し判ったから、「不二夫さんの絵は古いんじゃない」と、言ったことがあった。何気ない一言だったんだけど、赤塚は、すっかり考え込んじゃった。 そんな時、少年サンデーで『おそ松くん』が新連載されることになったの。悩んだ赤塚は、共同執筆者に高井研一郎さんを入れることにした。仕事に関しては、凄く柔軟性のある人だと思ったわ。 自分の絵が古かったら、絵が上手い人を入れればいい、って単純に考えられる人。さすが、トキワ荘で、石森さんや水野さんと共同執筆した人よ。作品を良くするためなら、誰にでも頭を下げられる謙虚さを持ってるの。プロデューサー的資