〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第38回 神の委員会(19) 「公正な医療資源の配分をめざして(2)」 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2581号よりつづく) 混合診療の解禁が意味するもの 市場原理派の人々は「価格を支払う意思のある人をアクセスから排除することは悪である」と「配給制」一般を否定し,価格原理に基づく資源の配分が正義であると主張する傾向がある。しかし,価格原理に基づく資源配分は,財力がない人々を資源の配分から排除する「価格に基づく配給」に他ならない。「混合診療の解禁」を主張する人々は,混合診療の解禁とは,実は,財力のない患者を必要な医療から排除する「価格に基づく配給制」を医療に導入することに他ならないという基本が理解できていないようである。 一方,市場原理派の人々が配給制を好もうと好むまいとにかかわらず,現実の医療は,小は医師の診療時間の配分から大は臓器移植の臓器配分ま
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