生活費を稼ぐために腎臓の摘出手術を受けたティムリと、そばに座る2歳の娘グルシカ=2022年7月28日、アフガニスタン西部ヘラート郊外、石原孝撮影 イスラム主義勢力タリバンがアフガニスタンの首都を制圧し、米国や日本が支援してきた政権を崩壊させてから8月15日で1年になる。国際援助が減ったことで食料不足や医療危機が深刻化するなか、現地では生活費を工面するために、自分の臓器や幼子を売る人が出ている。 【写真】35万円で腎臓を売った20歳の母。失業した夫とは、次は2歳の娘を売るかどうか話し合っている 西部ヘラート郊外で7月28日、約2カ月前に左の腎臓を病院で摘出した女性ティムリさん(20)が取材に応じた。脇腹には長さ約15センチの手術痕が残っていた。ブローカーに依頼し、腎臓を売って得た24万アフガニ(約35万円)の大半は借金の返済で消えたという。 タリバン復権後の不況で、野菜売りの夫の収入はほとん