国際金融規制界の最近のキーワードの一つに「オペレーショナル・レジリエンス」がある。バーゼル銀行監督委員会や各国当局が次々にガイダンスを出している。日本では略してオペ・レジと呼んだりしているが、レジリエンス、という英語はなかなか日本語になりにくい。 訳せば復元力とか、弾力性とか、強靭性あたりだろうか。イメージとしては、地震が来てもビクともしない前提の「剛構造」では低層建築しか建てられないので、揺れながら衝撃を吸収する「柔構造」で高層ビルを建てる、という時の柔構造に近い。 故障をしないコンピューター、バグのないプログラム、サイバー攻撃から自由なインターネット上の場所というものがない以上、障害のリスクをゼロにしようとする「ゼロ許容度」戦略では、どこかに無理が出たり、虚構が紛れ込んだりしがちだ。 米国のFRB・OCC・FDICは、昨年10月の連名のガイダンスで、「障害はなくせないが、柔軟なオペレー