「2008年は、マルウェア(不正ソフト)の種類が前年比で500%増えるだろう。個人的には1000%増えてもおかしくないと考えている」 そう警告するのは、ドイツのセキュリティーソフトメーカー、G DATAの取締役である、ディルク・ホッホシュトラーテ博士だ。1000%とは尋常でない増え方だが、なぜ今年はマルウェアの「当たり年」なのか。ホッホシュトッラーテ博士に話を聞いた。 ── なぜ2008年はウィルスの数が増えると予想しているんですか? ホッホシュトラーテ博士 今、サイバー犯罪業界では、マルウェア作成ツールの低価格化が著しいんです。マルウェアを仕掛ける側というと、昔はスクリプトキディー※が主でしたが、最近では犯罪組織が金銭をだまし取る目的で使っています。この手の犯罪組織は世界中にありますが、いちばん多いのが東欧とロシアで、最近では中国も増えていますね。 そうした犯罪組織を対象に、サイバー犯罪