長いトンネルの中でハンドルを握りながら、昔似たような長い長いトンネルの中で別れ話をしたことを思い出した。 トンネルは不思議だ、光が消え景色が見えなくなって、音さえも籠もりだす。 ここはどこなのか、いまはいつなのか。 長い長いトンネルは、ハンドルを握る私をあの頃に引き戻す。 それはとてもよくある話で、少し距離のある街に住む彼が、私と会えない一度の週末に浮気をしてそれを打ち明け、許せずに別れた、たったそれだけの事。 鮮やかな夏の光の中、湖畔沿いの道を笑いながら走っていたのに、暗いトンネルの中で思わぬ話をされて、トンネルを抜ける前に別れを決めた。 光溢れる湖畔と薄暗いトンネルのコントラストがあまりに強烈すぎて、今でも覚えている。 傷ついたのは別れたことよりも、そのことに対する友人たちの反応だったかも知れない。 たった一度のあやまちで別れるなんて勿体無い。 お互い若いんだし、よくある話。ただの生理
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