新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)への対処方針見直しなどが進む中、北海道大の喜田宏教授(獣医微生物学)が22日、読売新聞東京本社内で講演した。 この疾患が鳥類、哺乳類などに共通する「人獣共通感染症」だという広い視点に立って冷静に対処することの大切さを説き、「新型への対策と同時に、季節性インフルエンザにも同等の予防、治療対策を導入すべきだ」と述べた。 従来の季節性インフルエンザでも毎年、多数の死者が出ていることを踏まえての指摘で、同時に鳥インフルエンザウイルスの遺伝子変異を監視するため、変異を起こすブタ体内のウイルス検査を強化すべきだと呼びかけた。 講演の中で、喜田教授は、インフルエンザは鳥類、哺乳類共通の疾患で、ウイルスの保管庫は北極圏に近いカモ類の営巣地。カモの体内で増殖したウイルスが、渡り鳥と一緒に世界各地に散布される、という、地球の生態系と密接にかかわった疾患であることを説明した