高松市の大島にある国立ハンセン病療養所「大島青松園」と対岸を結ぶ官用船の民間委託問題で、厚生労働省は26日、来年度からの委託方針を取り下げる考えを園の自治会などに通知した。同省によると、入所者らの反対意見を踏まえ「十分な理解を得られていない」と政務三役が判断した。委託も含めた船の運航方法は、今後も入所者と協議するという。 現在は2隻を国家公務員の船員6人が運航しており、今年度末で定年退職する船員2人は再任用で1年間は雇用を延長する。国は2人の定年退職を前に、国家公務員の採用抑制を理由に、後の補充は難しいとして1隻を民間委託する方針を決定した。これに対し入所者や弁護団は「隔離した責任放棄だ」と反発し、白紙撤回を求めていた。