交通事故などの外傷により激しい頭痛やめまいを引き起こす「脳脊髄液減少症」。交通事故で発症したとする北海道の患者4人がそれぞれの事故の相手に損害賠償を求め、2月にも集団提訴する。きっかけとなったのは昨年10月に関係学会に認められた、厚生労働省研究班の診断基準だ。かつては原因不明の病気で交通事故などの外傷では発症しないとされたこともあったが、この診断基準で初めて発症の可能性を認めた。外傷による同症の発症は少なくないとみられており、今後は交通事故の賠償などで司法判断が変わる可能性も出てきた。医師間でも論争 脳脊髄液減少症は、かつて疾患の存在すら医療関係者に知られてこなかった。患者は「原因不明の難治性のむち打ち症」と診断されることが多く、心の病にされることもあった。外傷による髄液漏れは医学界で当初「漏れない」と否定的な意見が圧倒的。交通事故と同症との関連が語られることもなかったという。 しかし、約