覚醒剤を営利目的で所持したとして、覚せい剤取締法違反などの罪に問われた大阪市西区の無職、渡辺吉康被告(55)に対し、大阪地裁は12日、懲役8年6月、罰金300万円(求刑・懲役13年、罰金300万円)の判決を言い渡した。被告は「おとり捜査に協力しただけ」と無罪を主張。村越一浩裁判長は、おとり捜査を否定した一方、「麻薬取締官の対応が覚醒剤の取引を助長した面は否定できない」として刑を減軽した。 判決などによると、渡辺被告は2014年7月、厚生労働省近畿厚生局の麻薬取締官と知り合った。被告は大阪府警に逮捕される15年4月までの間、取締官と喫茶店などで約30回面会。約200通のメールや、計11時間の通話をしていた。