NECは第5世代通信(5G)アンテナを半分に小型化する放熱技術を開発した。高周波回路などから発生する熱をアンテナ面から逃がす。放熱用のヒートシンクを小さく設計でき、体積が約半分になった。冷却用ファンが不要で静か。空港やショッピングモールなど、屋内の人に近いところで利用する5Gアンテナに提案。2021年ごろの実用化を目指す。 電波を放射するアンテナを放熱に利用する構造は世界初という。5Gに使われる4・6ギガヘルツ(ギガは10億)帯を放射する小型のアンテナ素子を基板上に垂直に立てて配置する。アンテナ素子は互い違いに並べて素子の間を空気が流れるよう設計する。 さらに素子と素子の隙間に放熱フィンを配置した。一般にアンテナの近くに金属板を置くと電波をゆがめてしまう。そこで4・6ギガヘルツの電波を透過する特殊構造のパターンを刻み、電波放射に影響を与えずに放熱させることに成功した。 アンテナ面と裏面のヒ