<政府の医学部定員増に抗議する研修医のストが長期化。医療現場の混乱は拡大し、患者は命の危険にさらされている> 韓国で2月に始まった病院勤務医のストが終わらない。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の支持率低下も止まらない。実を言うと、尹と医者の間には長年にわたる確執がある。 2000年以前の韓国では、医者が処方薬も売っていた。薬を処方すればするほど儲かるから、どうしても薬剤の過剰投与につながる。患者の金銭的負担は増え、副作用のリスクも高まる。現に1990年代の韓国では総医療費の約3分の1が薬代だった。 この弊害を正すため、00年に医薬分業を義務付ける法案が採択された。医師は処方箋を出すだけで、調剤と販売は薬剤師が担当する仕組みだ。しかし、これを既得権の侵害とみた医師側は猛反発し、ストライキに突入して病院を閉鎖した。 そこで「医療法」が発動された。政府が公衆衛生上の危機と認定した場合に、医師や医