猫や犬などのペット動物に去勢・不妊手術を行うことは日本でも一般に行われているし、動物愛護協会も各都道府県の獣医師会も環境省も支持しているようだ*1。だが、インターネットやメディアではペット動物に去勢・不妊手術を行うことへの反対意見を見かけることもある。反対の理由は様々だが、「去勢・不妊手術を行うことで性的な快楽や本能を動物から奪うのは人間のエゴだ」という理由を最も多く見かけるような気がする。動物の "自然"な状態に人間が手を加えることへの反対や、強制的な不妊手術に人間の社会問題を重ねて連想する意見などもある。 しかし、それらの反対意見には、猫や犬の安易な擬人化(猫や犬は人間と同様の性的欲求を持っているだろうという判断、動物に対する強制不妊手術と人間に対する強制不妊手術の同一視)や、"自然"を無根拠に善とする発想が含まれているなどの問題点がある。 最近読んでいた『Ethics for Eve
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