ここ最近(半年か一年ぐらい)家庭の事情やら色々あってほとんどまったく小説を読んでいなかったんですけど、(なにかを数冊読んだ気がしないでもないですが)久々にしっかり小説らしい小説を読みました。というのが今回紹介する一冊。 エラリイ・クイーンという作家はミステリ好き(特に「本格」と呼ばれる、ロジカルさの強いものを好む人)なら知らない人はいない超有名作家で、日本のミステリ作家でもエラリイ・クイーンの影響を受けた人がたくさんいます。(「読者への挑戦状」が含まれる形式があれば、まさにそう) それだけ有名かつ人気の作家なので、新訳が定期的に刊行されているんですよね。「国名シリーズ」などの代表作はもちろんのこと、わりとマイナーというか、地味な作品にもスポットが当てられているのがうれしいところ。 特にハヤカワ・ミステリ文庫からは、ニューヨークで起こった連続殺人事件に挑む『九尾の猫』や、架空の町ライツヴィル