新しく生まれるものがあれば、消えていくものがある。それがこの世の中の常ではありますが、今、名古屋近郊には「新」という名を付けたまま間もなくその姿を消そうとしているものがあります。それはピーチライナーという愛称を持つ、「新交通システム桃花台線」です。 ピーチライナーが運行を開始したのが1991(H3)年の3月25日。ピーチライナーはわずか15年の歴史に間もなくピリオドを打とうとしています。なぜ名古屋近郊のベッドタウンを走る「新交通」が廃止という末路を迎えることになってしまったのか。車窓の風景を見ながら考えてみます。 桃花台ニュータウン都市計画はどのようなものだったのか 小牧市に「桃花台ニュータウン都市計画」が決定したのが1971(S46)年。近くには多摩や千里と並ぶ、名古屋地方では先駆け的な存在である高蔵寺ニュータウンがあり、それに続く格好となりました。計画人口は54,000人。 JR中央本