事業仕分けの強引さは、テレビで傍観者として観る立場からすると、または自らを仕分け人に置き換えて、会場に溶け込んでいるといってもよい人びとからみるととくに、まさに痛快きわまりない、小気味よいものであったのでしょう。 しかし、別の立場から、仕分けの視点そのものが問題視されています。たとえばスーパーカミオカンデにからんだやりとりに象徴的なような、現場からの強い反発を受け、事態収拾に民主党政権は今、直面しています。スパコンにかぎらず、事業仕分けは大学研究にも白羽の矢をたてているわけで、9大学学長がこれにはそろって反論しているし、野依良治氏は、「将来、歴史の法廷に立つ覚悟ができているのか」というこれ以上の形容はない表現で、民主党の態度を皮肉ってしまいました。 考えてみると、日本国は、これまでも教育やスポーツにつぎ込む予算の割合が各国にくらべて格段に低いといわれてきました。教育やスポーツは為政者にとっ