ブックマーク / blog.goo.ne.jp/longicorn (77)

  • おめでたい言説「貧困ビジネスで稼ぐ連中!」

    さて、『Voice』誌は右か左かと問われれば私は即座に右だと答えるでしょうが、こんな論文を掲載する同誌の水準をまず疑いました。 貧困ビジネスという一言に惹かれて読んでみたのですが、冒頭から著者の認識は、私の言葉でいえば尋常ではありません。執筆者・城繁幸氏は格差にふれているのですが、格差問題が巷間論じられて久しいのに、この人物といえば、相当の程度、世間からずれていて、ほとんど浮世びたりというカンジなのではないか。 曰く、 格差といってもいろいろあり、地域格差や年金格差までさまざまあるものの、現在議論の中心となっているものは雇用における格差だ。きっかけは、秋葉原の事件によって非正規雇用の存在がクローズアップされたことだろう。 ですって。 読者の皆さんならお分かりのように、たとえば橘木俊詔、佐藤俊樹など諸氏が「格差」を問題にかかげて論じはじめたのは、いったいいつだったのでしょうか。この城という人

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    Rebellion 2008/09/20
  • フリースクールという社会の縮図

    フリースクールの経営者が、営利目的でただ働きさせた容疑で追及されているようです。 記事が紹介するように、ある意味で無法のかぎりを尽くし、入所者から収奪する経営者の異常さに、眼を奪われてしまいます。 けれど、私は、このフリースクールというものが、日社会の縮図にみえてならないのです。別の言葉でいえば、日社会の無法が、この経営に凝縮されているといえるでしょう。 なぜそういえるのか。経営者のとったといわれる以下のそれぞれは、現代日には似通う事態があちこちに存在していないか。 神社のお守りづくりや電気部品の組み立てをさせ、入所者に報酬を一切払わない 親族が経営する店から仕入れた賞味期限切れの弁当やカップラーメンなどをべさせる 外から施錠された寄宿舎に監禁状態に置かれた 水の使用も制限する 賃金不払い。一切払わないかどうかではなく、労働者が働いた対価を支払わない事象は、最近の「名ばかり○○」と

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    Rebellion 2008/09/16
  • 類は友をよぶー 橋下知事、本間正明を使う

    念願かなって(?)政府税調会長に就任して間もなく、どこから発覚したのでしょう、公務員官舎に愛人と住んでいることが明らかにされました。あえなく辞任。 しかし、この間教授は、まあ世にいう御用学者を地でいくような人物。税調会長前には、例の経済財政諮問会議の学識者委員ですからね。経済財政諮問会議とは、すなわち財界・大企業の思惑にそって、国の経済、財政のあり方に「大なた」を入れる方針をつぎつぎに打ち出したところです。わかりやすくいえば、大企業にしごく甘く、国民には厳しい政策といえるものです。 そこで、間氏がこの経済財政諮問会議委員から税府税調会長就任までの頃、どんな主張をしていたのか、ふりかえってみる必要があります。 そうしてこそ、この間教授を橋下知事が採用したわけもみえてくるでしょう。 つまり、間氏は当時、消費税増税を視野に入れること、法人税減税を実施すべきことを強く主張していたのでした。

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    Rebellion 2008/09/01
  • 繰り返したたかれる生活保護

    友人が毎日、たくさんの医療関係のニュースにふれたメールをよこしてくれます。じっさい、私はたいへん重宝しているのです。 届いたメールのなかにつぎの記事がありました。 厚労省が19日発表した生活保護受給者に支給される医療機関への通院移送費の実態調査によると、「不正・不適正」と見られる事例が67件見つかった。調査は、北海道滝川市で2億円を超えるタクシー代などの不正受給事件が発覚したのを受け、今年1月、月額3万円以上の支給例を対象に全国調査を実施した。 対象となった1086件で最も多かったのが「書類不備」の912件。「問題なし」はおよそ1割の107件に過ぎなかった。金額で見ると、「不正・不適切」と認定されたのが約580万円、「書類不備」は同4900万円で、不適切な事例の支給総額は同6000万円に上る。個別で見た月額支給額は同81万 8000円が最高で、平均は同5万5000円。不正事例と認められた移

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    Rebellion 2008/08/29
  • 総選挙は何を問うのか- イギリスの経験から

    いつでも、誰でも、どこでも必要な医療を受けることができる、これを理想形とすれば、戦後、日は国民皆保険制度といわれる枠組みをつくって、これに近づこうとしたといえるでしょう。1961年には、何らかの公的保険に国民すべてが加入することになったのです。 その国民皆保険という枠組みも、改悪がつづいて、事実上、誰もをカバーするという制度はしだいに機能しなくなっていきました。80年代の構造改革の名で、社会保障制度は国民にとって徐々に後退させられたといえます。無料だったものが、自己負担1割になり、2割になり、3割になるという具合に。こうなると、経済的に弱い立場にある人は、しだいに医療から遠ざかる。すると、医療費は増高する。こういった悪循環に陥ることになる。たとえば、国民健康保険料が年間50万円近くになる世帯も少なくない今日になったのです。 日の社会保障制度は、以上のように保険料や自己負担割合が増えるこ

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    Rebellion 2008/08/28
  • 弱者に向かう「代わりはいくらでもいる」という眼

    彼らの行為は許されるものではないが、たとえば「弱そうな人」を「いじめて何が悪い」という彼らの心性は、今日の日国に横行している思想そのものではないか。 一連の社会保障抑制政策や税制改正という名で採られた選択、つまり企業減税と庶民への増税とが対になった税制面での改定、さらには物価高がこれに追い打ちをかけ弱い立場の人びとを苦しめている。三重苦のただなかに国民はあるといってよい。 ただちに分かるようにこれらの苦難は、経済的な弱者、貧困に直面する人にとっては耐え難いものになる。小泉元首相は痛みを分かち合うなどと強弁したが、その痛みの押しつけこそが、社会の隅々にさまざまな形で現れ、ゆがみを生み出した。 そこには、新自由主義といわれる弱肉強の思想が横たわっている。 だから、社会全体のそうした思想に彼らもどっぷりと浸っているということだ。 記事にあるリーダー格の2人がいった「いじめて何が悪い」という言

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    Rebellion 2008/08/23
  • 拝啓、ローゼン閣下。。。

    麻生太郎氏が証券優遇税制をいい出しました(*1)。為政者は、予算のともなう施策を求められることを極端に嫌うのが常なのですが、麻生氏もこんなことを言い放ちました。 んですって。 この物言いがあたっているかどうかは後でふれますが、税と負担増で国民が苦しみ、その結果、国内消費がのびずに景気低迷、こんな具合に日のいまの経済を概観できるはずです。 だとすれば、どこに手を加えるか。家計を温めるための方途を考えるのが政治家の仕事だと思うのですが、彼はちがいます。さすがに財閥の御曹司ですから、庶民と同じような生活はおそらく経験したこともないでしょうし、視野にも入っていないことがはっきりしたのではないのでしょうか。 300万円までの株式から出る配当益に関心を寄せられるのが、国民全体からみれば部分にすぎないことははっきりしているわけで、大多数の国民よりも、この一部の富裕層に目がいくところに、麻生氏の階級的な

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    Rebellion 2008/08/10
  • 疑似科学的手法

    社会保障の維持のため「負担増容認3割超す」 厚労白書 政府は5日、08年版厚生労働白書を閣議決定し公表した。社会保障の給付水準を維持するための負担増を容認する人が3割を超えるとする意識調査結果を紹介するなど、社会保障費の抑制路線を牽制(けんせい)する内容になっている。 掲載したのは、20歳以上の男女約1万1千人に聞いた「高齢期における社会保障に関する意識等調査」(06年実施)。社会保障制度の給付と負担の関係について、「給付水準を維持する必要があり、少子高齢化にともなう負担増はやむを得ない」が35.2%で最も多かった。「負担増は極力抑制し、給付の見直しもやむを得ない」は23.8%、「負担水準が上がらないようにすべきで、給付水準の大幅引き下げもやむを得ない」は8.0%だった。 老後の生活は「なるべく社会保障でみてもらいたい」と考える「社会保障重視派」は23.9%で、前回調査(00年)より3.6

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    Rebellion 2008/08/05
  • 労働者に非ず。。

    合唱団員は労働者でない/契約更新拒否で東京地裁 新国立劇場運営財団(東京)が、劇場所属のオペラ合唱団の女性メンバーと契約更新しなかったことをめぐり、「労働組合との団体交渉に応じないのは不当労働行為」と認定した中労委の救済命令を取り消すよう求めた訴訟の判決で、東京地裁は31日、財団の請求を認めた。 中西茂裁判長は判決理由で「女性は1年ごとに契約する『契約メンバー』で、個別の公演には別途契約を結ばなければ出演義務が生じない。劇場側との指揮命令関係は希薄で、労働組合法上の労働者に当たらない」と指摘。団交を拒んでも不当ではないとして中労委の救済命令を取り消した。 女性が所属する日音楽家ユニオン(東京)の崎元譲代表運営委員は「音楽家として怒りを感じる不当判決」と話した。 判決によると、劇場側は2003年、女性との契約更新を拒否。ユニオンの団体交渉申し入れに応じず、中労委が06年に不当労働行為と認定

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    Rebellion 2008/08/02
  • 堤未果『ルポ貧困大国アメリカ』を反ネオリベの書として読む。

    堤未果さんの『ルポ貧困大国アメリカ』が永六輔氏の『大往生』以来のベストセラー(岩波新書の)らしい。 ちょうど小林多喜二の『蟹工船』のヒットが話題にのぼっていますが、堤さんのこの著書が売り上げを伸ばしているのも、同じ事情によるでしょう。 つまり、現代の貧困は、大企業・財界の最大限の利益確保を追求せんがための身勝手な雇用政策にみられるような、労働者を使い捨て状態に置くことによってもたらされてきたと考える私は、まさに使い捨てられ、小林の叙述がいま、直に起きている事象と重なり合って、貧困に直面する働く者にとっては、小説の中の登場人物に自らを置き換えることによって共感を呼んでいると思うのです。同じように、堤さんのルポも、そこに記されているアメリカの現状が、読者の、身の回りの事情とうり二つであること、少なくとも相似であることを示しているでしょう。制度的に様々な面で切り捨てられてきた結果、たとえば国民皆

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    Rebellion 2008/08/01
  • 社会保障で経済を豊かに。

    社会保障に経済効果…厚労白書08年原案 厚生労働省がまとめた2008年版の厚生労働白書の原案が26日、明らかになった。 社会保障関連の業務について、国民の暮らしの安全ネットという来の役割とともに、高齢化に伴う需要増による経済波及効果があると分析しているのが特徴だ。医療や介護を経済活動を行う「産業」としてとらえた場合、経済活性化に有望な分野だとし、「社会保障は個人消費を支え、経済社会の発展に重要」と強調している。 原案では、医療や介護、社会福祉などの産業について、需要増による生産の増加などが各産業の生産をどの程度誘発するかを示す「総波及効果」が、「全産業平均よりも高い」と指摘。精密機械や住宅建築産業などと同程度の経済効果がある、としている。 (2008年7月27日03時14分  読売新聞) 厚労省が社会保障の経済波及効果に着目してきたことは、当ブログでも何度かのべてきました。 今度は白書に

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    Rebellion 2008/07/28
  • 貧しい者には厳しく接すべし。

    と、やや単純で、誇張したこの表現は誤解を与えるかもしれません。 でも、現実の行政窓口ではこんなふうに受け取れる一面がある。 「朝日」が伝えるところによれば、厚生労働省の上からの指示が、i陰に陽に行き届いたとみてよいのでしょう。ようするに、厚労省はたびたび生活保護の受給を問題視つづけ、削減のための具体策を実施してきました。老齢加算や母子加算の削減・廃止のように。 生活保護は、日国憲法25条のいう最低限度の生活を営む権利の具体化、つまり最低限度の生活(費)を保障するものだとだととらえると、最低限度の生活ができないか、現にできていない人すべてに適用されなければなりません。 ところが、記事が明らかにするように、たとえれば行政の匙加減一つで受給されるはずのない者が受給される事態が一方にあれば、来、救われなければならない人が受給されないこともある。「朝日」のデータは、その総合です。 行政の現場の人

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    Rebellion 2008/07/22
  • 過労死を迫る現行最低賃金

    この記事で思ったのは最低賃金(以下、最賃)のことだ。 つまり、現行最賃では過労死ラインを遙かに超える労働でなければ年収200万円を超えることができない。つまり、今の最賃法は、すでにワーキングプアの存在を制度的に前提にしている。 ところで、最近、増税案の一つとしてさかんに喧伝されているたばこ一箱1000円とする考え方がある。片方で、これだけ非正規雇用のウエイトが現実に高まっている今日、そのベースをいかに高めていくのか、この論点が労働者にとって避けることのできない課題となっている。 たばこ一箱より最賃時給が下回るという、これまでの感覚では考えられない事態が今後、可能性としてはもちあがるわけだ。最賃がたばこの値段より低くてよいのか。単純にそう思う。 統計によれば高卒初任給の最低水準は、時給換算で755円。一方、現行最賃の平均は687円。 この6月、最低賃金の5年間の引き上げ目標について、生活保護

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    Rebellion 2008/07/19
  • ヒゲで人を評価するか。。

    「ひげ」で人事評価マイナスは人権侵害、弁護士会が勧告 ひげを理由に人事評価をマイナスにしたのは人権侵害として、大阪弁護士会は15日、日郵政グループの「郵便事業会社」(日郵便)に、不利益な取り扱いをやめるよう勧告した。 同会によると、日郵便は、日郵政公社だった2005年以降、接客マナーのレベルをランク付けする制度を導入し、ひげを生やすことは評価の対象外とされた。 申し立てていたのは同社生野支店(旧生野郵便局)職員の中村昇さん(55)。中村さんは1989年から勤務し、90年から口ひげをたくわえている。荷物引き取りなどの仕事をしていたが、最低ランク以下の評価で「身だしなみ改善に取り組んでほしい」とされた。 同会は、<1>無精ひげではなく手入れされている<2>顧客の苦情もない――などの事実から、「評価が低いと、昇給などで不利益を受ける」として改善を求めた。(2008年7月15日21時41分

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    Rebellion 2008/07/16
  • ふれてはいけないことがある。

    所得税累進税率の引き上げに言及するあたり、谷垣氏らしさがでているのかもしれません。所得税累進税率の引き上げ、よいではないか。けれど、諸手をあげて賛成できるものかと問われれば、ノーと答えざるをえません。 谷垣氏は、消費税率上げ、所得税累進税率引き上げのどちらに重きをおいているかといえば、いうまでもなく消費税率上げです。 発言は、消費税率を引き上げるための地ならしでもあるでしょう。記事が指摘するように、「低所得者の重税感の不満を抑える狙い」なのですから。 ところが、この発言においても、消費税増税論者、それから「たばこ税増税」派、あるいはその他もろもろの論者に共通するある法則が貫かれています。このエントリーのタイトルにかかげた「ふれてはいけないこと」にふれないという法則です。 この法則は、自民党はもちろん、民主党の論者もまた、そしてあの山口二郎氏さえも貫く強靭さです。 聖域ということばがよく使わ

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    Rebellion 2008/07/13
  • 医療費で財政破綻はない。

    思いこみというものが、まあ誰でもあるでしょう。 万人に思いこませるために、支配者はときにデマも流してきました。ヒトラーしかり、得意の演説で聴衆、すなわち国民を熱狂の渦に誘い込み、ほんとのこととしてすり込ませてきました。 ヒトラー同様とはいわないまでも、ときの政権は財政問題をちらつかせ、増税への筋道をつけようとしてきましたし、逆に、歳出カットするために大宣伝に血道をあげてきました。 いまの局面も、以上の記述とそれほど異なる状況ではありません。 消費税増税が「09年度税制改正」の名でいよいよ俎上に上がります。一方で、額賀財務大臣が、2006年にまとめた「骨太の方針」に盛り込んだ社会保障費の自然増を5年間で1.1兆円抑制するとの目標について「3年目で挫折しては世界の信認を得られないし、国民の将来不安もぬぐえない」と語ったことが伝えられました。世界のジョーシキはむしろ、社会保障の徹底した抑制から社

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    Rebellion 2008/07/02
  • 医療は雇用をふやす-その経済波及効果

    「毎日新聞」が「医療クライシス」という連載を組んでいる。 財政を圧迫するという理由で社会保障費を抑制してきたツケが今、たとえば医療崩壊という形で回ってきている。一方で、現場の医師や医療従事者からは医療崩壊にたいする警鐘が鳴され世論に訴えてきた結果、いまや国民の認識をかえつつある。したがって、政府もその声に押され、対応せざるをえなくなっている。それは、最近の、医師養成数を増やすということを政府が決めたことにも端的に表れている。 「毎日」の連載4回目は、医療の波及効果がテーマ。 医療クライシス:脱「医療費亡国論」/4 経済波及効果 (魚拓) 医療は金がかかるばかりで経済成長にとってもマイナスだとか、社会保障への負担増が国際的な競争力をそぐなどという所説に私たちはしばしば遭遇するのだが、ほんとうにそうなのだろうか。 記事は、その是非をめぐって専門家の意見を反映させたものである。 記事で紹介されて

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    Rebellion 2008/06/23