高校のとき、授業の後は掃除の時間だった。 昔は15時とか16時といった概念は無かったので、3時か4時くらい。全校一斉に掃除の時間が始まり、校内放送では必ずこの人の音楽が流れていた。 それはリチャード・クレイダーマン。フランスのピアニストです。 ジャンルで言えばイージーリスニング、今で言うラウンジ。誰の邪魔にもならない無難で心地良い音楽。嫌いでも無かったけど、全く興味がありませんでした。まさに無関心そのもの。 それでも毎日繰り返し耳にしていた音楽というのは、なんかこう、頭の中にへばりついているものですね。深海の岩にこびりついている苔のような感じで、べたーっと。 先日、YouTubeで「渚のアデリーヌ」を耳にすることがあって、いやあ、その苔がムズムズと疼きました。どう疼いたかって、80年代初頭、街のあちこちでリチャードのピアノが流れていた体感と記憶が一気に蘇ってきたのです。掃除の時間だけじゃな

