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  • この本がスゴい!2022: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    「いつか読もう」はいつまでも読まない。 「あとで読む」は後で読まない。 積読をこじらせ、「積読も読書のうち」と開き直るのも虚しい。人生は有限であり、が読める時間は、残りの人生よりもっと少ない。「いつか」「そのうち」と言ってるうちに人生が暮れる。 だから「いま」読む。 10分でいい、1ページだっていい。できないなら、「そういう出会いだった」というだけだ。「いま」読まないなら、「いつか」「そのうち」もない。 に限らず情報が多すぎるとか、まとまった時間が取れないとか、疲れて集中できないとごまかすのは止めろ。新刊を「新しい」というだけの理由で読むな。積読は悪ではないが、自分への嘘であることを自覚せよ。「いま」読むためにどうしたらいいか考えろ。「」にこだわらず読まずに済む方法(レジュメ、論文、Audible)を探せ。難解&長大なら分割してルーティン化しろ。こちとら遊びで読書してるんだから、仕事

    この本がスゴい!2022: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 2022年1月

    世界史を学びなおす最適な入門書から、歴史をメタに語る一冊まで、徹底的に熱く語り合った2時間をまとめた。 前編はこちら youtube動画はこちら 世界をバズらせる スケザネ:「書かれたものが世界を変える」という観点だと、これにつながりそう。『「世界文学」はつくられる:1827-2020』(秋草俊一郎、東京大学出版会)というで、「世界文学」という概念がどのように作られ、変わっていったかがテーマです。以前の対談でも話題になってたやつです。 そこに、ゴーリキーの世界文学叢書が出てきます。ソビエト連邦という国家が誕生し、当代一流の世界文学を集めて出版しようという話になった。実はここに、政治的な動機がありました。 ロシア文学だけでなく、世界各国の言語から優れた作品を選び取り、なおかつ全集として出せるというのは、それだけロシア文化的に先進的だという政治的なメッセージになるのです。国や言語を越境して

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 2022年1月
  • 時を忘れる小説

    大きな現実の前では、文学はつくづく無力だな。 そも文学は人と人との間学(あいだがく)なのだから、人を超える圧倒的な事物には、術がない。しかし、言葉が人に対して影響をもつものなら、それがいかに微かであろうとも、その力を信じる。わたしは、物語の力を、信じる。 このエントリでは、時を忘れる夢中小説、徹夜小説を選んでみた。計画停電でテレビや電車が動かないとき、開いてみるといいかも。amazonからは書影のみお借りして、リンクはしていない。自分の書棚か、営業してる屋を巡ろう。文庫で、手に入り安そうなもので、かつ面白さ鉄板モノばかり選んだ。いま手に入りにくいのであれば、手に取れるようになったときの「おたのしみリスト」として期待してくださいませ。 ■大聖堂(ケン・フォレット、ソフトバンククリエイティブ) 十二世紀のイングランドを舞台に、幾多の人々の波瀾万丈の物語……とamazon評でまとめきれないぐら

    時を忘れる小説
  • ファンタジーの最高傑作『氷と炎の歌』

    夢中にさせて寝かせてくれず、ドキドキハラハラ手に汗握らせ、呼吸を忘れるほど爆笑させ、ページを繰るのが怖いほど緊張感MAXにさせ、いしばった歯から血の味がするぐらい怒りを煽り、思い出すたびに胸が詰まり涙を流させ、叫びながらガッツポーズのために立ち上がるほどスカッとさせ、驚きのあまり手からが転げ落ちるような傑作がこれだ。 この世でいちばん面白い小説は『モンテ・クリスト伯』で確定だが、この世でいちばん面白いファンタジーは『氷と炎の歌』になる。 書いた人は、ジョージ・R・R・マーティン。稀代のSF作家であり、売れっ子のテレビプロデューサー&脚家であり、名作アンソロジーを編む優れた編集者でもある。 短篇・長編ともに、恐ろしくリーダビリティが高く、主な文学賞だけでも、世界幻想文学大賞(1989)、ヒューゴー賞(1975、1980)、ネビュラ賞(1980、1986)、ローカス賞(1976、1978

    ファンタジーの最高傑作『氷と炎の歌』
  • 今年イチの傑作SF短篇「無脊椎動物の想像力と創造性について」

    「擬人化の罠」という言葉がある。 生物の行動に「ヒト」を探そうとする姿勢だ。その行動や生態を観察する際、ヒトに似た属性でフィルターをかけ、ヒトの基準で評価しようとする。 ルイーズ・バレット『野性の知能』は、擬人化の罠に気をつけろと警告する。擬人化に偏って仮説を立てると、検証範囲が限定されてしまうからだ。 何かヒトに似た行動を取ったとしても、その行動を生んだ根源的なメカニズムまでがヒトと同じとは限らない。ヒトと異なる身体と神経系をもち、ヒトと異なる生息環境で生きているため、同じ行動原理であると考えるほうに無理がある。 例えば、コオロギの雌は、雄が奏でる誘引歌を聴き分けて、好みのパートナーを探し当てる。誘引歌の他にも、喧嘩歌や求愛歌などを使い分けて、状態を知らせている 雄の歌を「認知」して、脳が適切な行動を「判断」し、それに沿って身体を「制御」して雄に近づく―――擬人化のフィルターを通すと、コ

    今年イチの傑作SF短篇「無脊椎動物の想像力と創造性について」
  • 惚れる言葉に必ず出会える『エモい古語辞典』

    引用元:朝日広告賞(2021年度)より せつない、うつくしい、はかない、なつかしい……感情が一気に押し寄せ、言葉にするのが間に合わない。そんなときにエモいというのだろう。昔の人が「あはれ」というのと同じかもしれぬ。 古語辞典で「あはれ」をひくと、かわいい、いとしい、なつかしい、尊い……など、「感動を覚えて自然に発する叫びから生まれた語」とある。推しが尊すぎてしんどくて言葉を失うほど心が揺さぶられるのを略して「語彙力……ッ」と叫ぶときもあるが、根っこは同じだろう。 そういう、エモい、あはれな言葉に出会える辞典がこれだ。 もともと、小説やマンガ、歌詞など創作のために古語を厳選したのだが、パラパラと見ているだけで、胸をうずかせ、心を揺らす言葉が見つかる。まるで宝石箱のような辞典なり。 たとえば、「可惜夜(あたらよ)」という言葉を知った。 「可惜」は、惜しいとかもったいないという意味はなんとなく知

    惚れる言葉に必ず出会える『エモい古語辞典』
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