“オープンであること”はインターネットの重要な特性だが、「一度でも間違ったことをすれば、その記録がネット上に一生残り続ける」という状況は、よく考えるとかなり恐ろしいのかもしれない 今年1月、欧州委員会がインターネット上における個人情報保護のために、「忘れられる権利」という新しい概念を盛り込んだ法案をまとめたことが話題になった。これは簡単に言えば、ユーザーがネット事業者に対して、自分のプライバシーに関する情報の削除を要求できる権利のことだ。たとえば、酔った勢いでアップした自分の「ハメを外しすぎた写真」を別の人物がダウンロードし、別のサーバーに再アップロードした場合、本人には削除する術がない。そこで「忘れられる権利」を行使することで、そのサーバーを管理しているネット事業者に直接削除を要求できるようにしようというわけだ。 「人間は失敗をする生き物である以上、誰だって今更知られたくない過去のひと