読書とは、静かなモノだった。一人きりでするモノだった。読書が趣味の女子高校生といえば、引っ込み思案な落ち着いた美少女だと決まっていた。ただし現実はそう甘くない。 こういった「読書」という体験そのものを、電子書籍は変えるだろう。アフターiPadの世界では、読書はもっと騒がしく、にぎやかで、みんなで一緒にするモノになる。 今回は、そんなお話。 ◆電子書籍にできること、できないこと。 恥ずかしながら、中学生のころからネット上の素人小説サイトに出入りしていた。かなり以前から、ネットを介して小説や論評を読んでいた。画面を通して読んだテクストの量になら自信がある。 しかし気合を入れて読むときには、必ずプリントアウトしていた。なぜなら、画面にはラインマーカーや三色ボールペンで書き込みをできないからだ。また液晶の画面を長時間睨み続けていると、眼球が死ぬ。 このようにパソコンで読書をすると、二つの難点が浮か