今年3月に52歳で急逝した作家の佐藤大輔さんを追悼する「佐藤大輔さんを偲(しのぶ)会」がこのほど、東京都新宿区の日本出版クラブで開かれた。佐藤さんの担当編集者の有志が勤める出版社(KADOKAWA、中央公論新社、徳間書店、早川書房)が共催。作家仲間や友人、編集者ら約60人が、独特の歴史観をもとにした仮想戦記を発表し、未完シリーズを多く残して旅立った故人を惜しんだ。 仮想戦記とは、架空の設定による戦争、戦闘の物語を指す。1991年の作家デビューを機に、古今の史書や小説の乱読で得た教養を駆使して独創的な設定の仮想戦記を世に送り出し、熱狂的なファンを生んだ佐藤さん。文学賞の受賞歴はなかったが、出世作「征途」の文庫版に寄せた解説で、映画監督の押井守さんはこう評していた。「『仮想戦記』なるジャンルは佐藤大輔において頂点を極めた--というより、佐藤大輔という作家を世に…
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