色とりどりのスプレーに金網を切断できるボルトカッター、デジタルカメラ――。4月3日に来日したオーストラリア人の男のバッグからは、どこかに侵入して落書きをするためとみられる道具が多数見つかった。 警視庁は入国直後のこの男を、2018年2月に東京メトロの車両に落書きしたとする器物損壊容疑などで逮捕した。同庁の捜査の過程で男が浮上、再来日のタイミングで身柄を拘束した。同庁は今回の入国目的も落書きだったとみている。 電車への落書き被害の全国統計はないが、都内での被害が目立つ。警視庁の集計ではJRや私鉄を含め、17年1月~19年2月に少なくとも計26件発生。自分のニックネームをスプレーなどで大きく描くものなどが多い。 警視庁幹部は「落書き後すぐに帰国する外国人が多く、刑事責任の追及は容易でない」と話す。 なぜ落書きするのか。グラフィティ(落書き)文化に詳しい東京都市大の小林茂雄教授(環境心理学)は「