ロビン・ウィルソン=ビーティー(Robin Wilson-Beattie)が部屋に入ってくると、誰もが注目してしまう。アゴまである紫色のボブ、きれいに引かれた赤いリップ、キャットアイ型メガネ。まるで1960年代の通販カタログからそのまま飛び出てきたようなパンク・ロックな出立だ。そして最後に、花のステッカーで飾られた歩行器具。 ウィルソン=ビーティーは、身体障碍とセックスヘルスの指導者で、障碍者もセックスがしたいのだ、正常位から徹底的なBDSMまでみんなと同じように楽しみたいのだ、とメッセージを広めている。 「障碍者はセックスと無縁だ、と勘違いされがちです」とウィルソン=ビーティー。「どうしてそうなるのかまったくわかりません。人間の本能に結びついているのに。障碍者だからといって、お腹が空かないはずがないでしょう。呼吸ができないはずもないし、眠くならないはずもありません」 ウィルソン=ビーティ