発表の場広げ、地元活性化 全国各地の自治体が主催に関わり、現代美術を展示、紹介する地域の芸術祭=1=が花盛りだ。その狙いと現状は。芸術祭企画の第一人者で、地域づくりと芸術をつなぐ取り組みを1990年代から続けるアートディレクターの北川フラム氏(70)に聞いた。【聞き手・永田晶子、写真・渡部直樹】 --先駆的な地域芸術祭の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」=2=と、瀬戸内海の島々を舞台に2010年に始まった「瀬戸内国際芸術祭」を手掛けてきました。共に客足は順調に伸び、後者は昨年の3回目には延べ104万人が訪れ、推計約139億円の経済波及効果がありました。地元に変化は感じますか。 外部から注目されることで、美しい里山や海といった地域資源を再認識し、自分たちの歴史や生活に誇りを持つ人が増えているようです。両芸術祭の特徴の一つはリピーター(再訪来場者)率の高さ。前回の大地の芸術祭(15