■概要 本書は、『人類文明と人工知能Ⅰ―近代の成熟と新文明の出現―』に続く、シリーズ第2 弾である。先の報告書では、われわれが対峙する近代社会は、旧いものの成熟と新しいものの出現が、同時に生起している「重畳」と、とらえるべきであることを示した。 では、それは、どのような状況で、何を引き起こし、われわれはどう対応すべきか。ここでは、デジタル化を象徴するプラットフォームに焦点をあて、産業、社会、国家の領域ごとに取り上げる。 まず、これまでの産業化をけん引してきた日本企業が、世界的なプラットフォームの覇権争いに加われないまま、競争力を失いつつある。競争力を維持するためには、日本の文化の強みから生まれる経験価値を生かしたプラットフォーム戦略を模索する必要がある。 また、情報技術を駆使したUber やAirbnb などのシェアリングエコノミーは、社会に恩恵を与える反面、人々に雇用喪失の不安をもたらし